『WHITE ALBUM2』全ルート体験記

本記事は『WHITE ALBUM2』のネタバレを含みます。が、詳細にシーンをばらしているわけでなくあくまでもプレイした方には伝わるという書き方にしているつもりです。なお、これ以外の作品名も出てきますが、ネタバレはしていません。 はじめに 0. 丸戸史明『冴…

3月10日のおはなし

「試験終了です」 俺はペンを置いた。中高六年間、学んできた全てをぶつけた二日間が終わり、そして長かった受験戦争にもついに終止符が打たれた。 3月10日。今日は卒業の日だった。中高一貫で六年間通ってきた校舎とも今日でおさらばだ。この長い坂道を上る…

夏の終わりに想う

「あなたのことが好きだから──」 その彼女の言葉に僕は起きた。最悪の目覚めだ。今日は8月30日。彼女が亡くなった日だ。 毎年、この日になると彼女のことを思い出す。いや、常に彼女のことは忘れられないのだが特にこの日は数々の思い出が蘇ってくる。名探偵…

モンティ・シュレディンガー・バレンタイン

2月14日。今年もこの日がやってきた。俺は今年もゲームに負けて彼女お手製のビターチョコレートを食べることになると思う。そして苦い苦いとのたうち回る俺を見て彼女は笑うだろう。だが今年こそは── *** 放課後、俺は彼女から指定された場所に向かった。…

少年は卒業しない

振り返ってみると思い出に残る三年間だったと思う。きっと将来、俺はこの時間を愛おしく思う、そんな日が来るのだろう。「よっ。いつもいつも人のいないところを見つけるのが得意なことで」そんな感傷に浸っていると彼女が現れた。思えば彼女に出会ってから…

水上悟志『惑星のさみだれ』一気読み感想

水上悟志『惑星のさみだれ』を読んだのでネタバレ込みでざっくりとした感想を。 物語は主人公の雨宮夕日がしゃべるトカゲと出会うところから始まる。突然、地球を守る騎士と選ばれたとそのトカゲに告げられ、訳もわからぬまま敵である泥人形の襲撃を受ける。…

迫稔雄『嘘喰い』全巻一気読みまとめ

迫稔雄『嘘喰い』を初めて全巻一気読みしたので騙し合いの根幹に関わる部分は伏せつつ多少のネタバレは含みながら感想を書いてみようと思う。Wikipedia(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/嘘喰い)を参照してその順番の感想です。 ・読む前の印象頭脳戦とフィ…

「リズと青い鳥」ネタバレ感想

「リズと青い鳥」を再度見たのでネタバレ込みで感想を書いてみようと思う。 2期まで終わりいよいよ2年生編が始まるといったところでまさかの原作から切り抜いてのこのスピンオフ。原作よりも鎧塚みぞれと傘木希美の心情に寄り添った物語になっていて、リズと…

2023年読んだ本

2023年上半期1月1. 橘公司『デート・ア・ライブ 十香デッドエンド』2. 三河ごーすと『友達の妹が俺にだけウザい』3. 橘公司『デート・ア・ライブ2 四糸乃パペット』4. 三河ごーすと『友達の妹が俺にだけウザい2』5. 橘公司『デート・ア・ライブ3 狂三キラー…

『終物語』「ひたぎランデブー」からみる『戦物語』

『戦物語』を『終物語』収録の「ひたぎランデブー」から読み解いてみようと思う。両作ともに根幹に触れるネタバレはあり。 さて、「ひたぎランデブー」デートの最初の場面では免許を取って暦を驚かせているのだが、その理由は「吸血鬼」であるがためのサポー…

真賀田四季サーガと対比する『空の境界』

Twitterに書きなぐっていたものをまとめたものにしようと思って書き始めてみる。 多少ネタバレあるかも。 タイトルは書いたままであるけれど、実際には森博嗣的観点から見た『空の境界』ということを書こうとしてこういうことになっている。森博嗣であれば何…

名刺代わりのマンガ100選

最後にマンガ100選を。誤字はご了承を(今回は特に酔いがまわっているので......) 1. 村田雄介/稲垣理一郎『アイシールド21』この漫画なしにわたしを語ることはできない 2. 久保帯人『BLEACH』アニメくそ楽しみ 3. 福地翼『うえきの法則』正義を貫け 4. 天野…

名刺代わりのライトノベル100選

力尽きつつも100選びました。 誤字脱字はご了承を。 1. 谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』 人生で初めて読んだラノベ。良さがここに詰まっている。 2. 谷川流『涼宮ハルヒの消失』 面白すぎて初めて一気読みした作品。 3. 石踏一榮『ハイスクールD×D 旧校舎のディ…

名刺代わりの小説100選

ダダダっと書いていきます。誤字はご了承ください。 1. 松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿IX』映画化もされたモナリザの話が好き。 2. 貴志祐介『新世界より』中盤から堕ち始めて読んでて描写が怖いが最後は安心する。 3. 青柳碧人『浜村渚の計算ノート3と1/2さ…

2021年下半期読了本

2021年下半期7月267. 蒼木ゆう『君が消えた夏、僕らは共犯者になった』268. 靖子靖史『ハイライトブルーと少女』269. 靖子靖史『空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起』270. 豊島ミホ『夏が僕を抱く』271. ラヴィ・ティドハー/茂木健 訳『完璧な夏の日 上』272. ラヴ…

2021年上半期の読了本

2021年読んだ本を載せておきます。 参考になれば幸いですm(_ _)m 2021年上半期 1月1. 石持浅海『扉は閉ざされたまま』2. 更伊俊介『犬とハサミは使いよう』3. 小野不由美『ゴーストハント4 死霊遊戯』4. 石持浅海『君の望む死に方』5. 石持浅海『彼女が追っ…

ミステリの夏がきます

はじめに 新作編 米澤穂信『黒牢城』(2021/06/02) 辻村深月、乾くるみ、米澤穂信、芦沢央、大山誠一郎、有栖川有栖『神様の罠』(2021/06/08) 市川憂人『ボーンヤードは語らない』(2021/06/21) 相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』(2021/07/07) 五十嵐律人『原…

ロックロックロック

「私たち、別れましょう。」 彼女はそう告げた。その瞬間、僕は衝撃を受けるかと思いきや意外にもすんなりと受け入れることができた。もうこの関係はすでに終わりつつあると感じてはいた。だから、彼女の言葉に驚きを感じなかった。「驚かないのね、さもそう…

2020年の架空小説 お気に入り3冊

2020年に読んだ小説でお気に入りの3冊を紹介します。 ミステリ、青春小説、ラノベ、からひとつずつです。 (しかし、これらは現実に存在しない小説です。) 1. 白岩 男 (しろいわ だん)『曲がらないスプーンはなぜ曲がった』 2. 真田 隆太郎 (さなだ りゅうた…

思い出は瞼の裏だけ

彼のことが好きだった。でも友達以上の関係にはなれないと知った。だから私は友達であることを選んだ。私にとってはそれが最善の関係だった。それ以上の関係になろうとすると壊れてしまうから。この関係は壊したくない。いつまでも、いつまでも、彼のことを…

BOOK OF THE YEAR 2020 を考えてみた

book of the year というものを考えてみたので、それを載っけます。 こちらの↓ (https://ddnavi.com/bookoftheyear/) 20191001〜20200930の期間で発売されたものから選ぶことになってます。 ■単行本、書き下ろし文庫わたしの美しい庭凪良ゆう現実にもあり得…

中学生向けの小説10冊

Twitterのハッシュタグのやつで、どういう考えで自分が選んだかを書いてみます。本の内容紹介というわけではありません。 ■涼宮ハルヒの憂鬱退屈な日常から離れたいとき、変わった女の子に振り回されたら楽しいと思う。友人関係とかで思い悩んでも、これだけ…

9月10月の新刊に向けて

毎年この時期になると年末の各種ランキングに向けて、出版社が勝負を仕掛けてくることが多い。大抵、単行本なので(新刊なので当たり前だが…)お金がかかるという問題が発生する。だからといって、どうすれば良いということもないのだが、お金を払う準備をして…

読書は勉強の息抜き?

小学生のとき、勉強の息抜きに読書しているという声が多くて、頭の良い人はそうなんだなと漠然と思ってた。だけど、これは本当に本が好きなだけだったんだなと、10年越しにようやくわかった。 小学生のときの自分は、文字を読むこと=勉強すること、に近い意…

受験勉強どうやったか

積分サークルの動画に触発されたので、書いてみようと思います。ほぼ自分語り。 まず、勉強は時間を区切ってやってた。何時から何時までは英語、何時から何時までは数学、みたいな感じ。たとえキリが悪くても絶対にそこで切り上げるようにしてた。休憩時間も…

電子書籍のすすめ〜セール情報〜

今回は出版社ごとのセール情報について、自分の感覚で書いてみます。実際のデータを出せば根拠が強くなるんだけど、集計してないので…kindle使用歴が長いので、ストアはkindle基準で。ただ他のにも応用できそう。 ■頻繁にくる小学館、幻冬舎、光文社、文春>…

電子書籍のすすめ〜ストア編〜

端末編のときにkindleとbookwalkerとebookjapanを併用していると書きましたが、その理由について書いてみます。 【複数のストアを利用するメリット】前まではkindleひとすじだったのが、こうするようになったのは、欲しいもののセールがなかなかこなかったり…

涼宮ハルヒと自分

角川文庫から再刊されたものをこの休み期間中に読んだので、自分との思い出を振り返ろうと思います。内容に若干触れます。 【初めて知ったきっかけ】小学生のとき、ニコニコ組曲を知った友達から見せてもらって初めて知った。そこから、分裂まで一気読みだっ…

本の読み方

自分がどんな感じで本を読んでるか、について書いてみます。基本的には多読早読み派です。 ■早読み最近はこれ。速読じゃなくて、早く読む。文字をダッーと目で追って、シーンを頭の中に思い浮かべる。これをやると人物関係を忘れやすいので、新しい人物が出…

電子書籍のすすめ〜端末編〜

前々からTwitterの方ではつぶやいていたものをざっとまとめてみようと思います。今回は端末について。 【端末は何を使ってるか】huaweiのタブレット端末を使用中。16 GBで1.5万くらいで購入した。前はkindle paperwhite(小説用)とfireタブレット(マンガ用)を…