『アンデッドアンラック』完結記念 名シーンの振り返り感想
戸塚慶文『アンデッドアンラック』(以下、アンデラ)が完結を迎えました。記念にそれぞれの登場人物の名シーンとともに振り返っていきたいと思います。ネタバレはありますが、それを知ったとしても十分に面白いマンガだと思います。これを書くためにコミックスをパラパラとめくって確認していましたが、涙が止まりませんでした。すでにボロボロの状態ですが、振り返っていきましょう。
- はじめに
- No. 008 変わる私は好きですか? 【ジーナ=チェンバー】
- No. 046 現在で会おう 【ヴィクトル】
- No. 048 ボクの知らない物語 【九能明/安野雲】
- No. 051 ヒーロー 【ライラ=ミラー】
- No. 065 感謝します 【ムイ】
- No. 072 真心 【くるる (来栖貞子)】
- No. 077 On your mark 【トップ=ブル=スパークス】
- No. 079 なのに俺は 【アンディ】
- No. 106 人の理はいつだって 【ルイン】
- No. 109 R.I.P. 【ラトラ=ミラー】
- No. 113 FORGET 【ニコ=フォーゲイル】
- No. 121 不公平 【タチアナ】
- No. 128 Strict Defense 【友才】
- No. 129 心器 【ジュイス】
- No. 132 LOOP ~Time to Go~ 【出雲風子】
- No. 144 Next Ring 【ボイド=ボルクス】
- No. 147 RUN-IN 【テラー】
- No. 149 You see me now? 【ショーン=ダッツ】
- No. 152 Gun Fight 【ビリー=アルフレッド】
- No. 153 Fair play 【クリード=デッカード】
- No. 159 Entruster 【フィル】
- No. 166 不真実 【シェン=シアン】
- No. 167 馬鹿息子 【ファン=クーロン】
- No. 172 動けたんだ 【重野力】
- No. 176 その為にオレは 【リップ=トリスタン】
- No. 185 おあがりよ 【番場円陣】
- No. 194 Beast 【一心 (山岡春歌)】
- No. 204 得意不忘言 【イチコ=ネムリ】
- No. 209 クソ喰らえ 【楓】
- No. 226 黙示録 【アポカリプス】
- No. 227 アタシはどっちも! 【ジーナ=チェンバー】
- No. 230 不死不正義 【ジュリア=U=スティティア】
- No. 231 Re member 【バニー (バックス)】
- No. 232 Assault 【アンディ】
- おわりに
- おまけ
はじめに
私はアンデラは連載当初は読んでおらず、オータム編が終わったあたりでジャンプのバックナンバーでさかのぼって読んで連載に追いつきました。そしてサマー編を読んで、このマンガを毎週読むのが待ち遠しくなりました。日曜日の夜、0:00を回った瞬間にアンデラを読む、そしてひととおり騒いでから寝る。そんなことを完結までずっと続けてきました。間にアニメ化が発表されたりイベントがあったりといろんなことがありましたが、こちらは私個人の思い出として最後に書こうと思います。では、振り返りを。
No. 008 変わる私は好きですか? 【ジーナ=チェンバー】
私は変われなかったけど…変わるのも…悪くないのかもね…
ジーナは特に好きなキャラです。変われなかったジーナ、変わるのが怖かったジーナ、それはこの世界が理不尽なものであることに気づき絶望していたからでもあるのでしょう。
アンデラはまだ始まったばかりで、否定者たちが否定能力にどれだけ苦しめられているかはそれほどわかっていません。その苦しみの一端を知る初めてのお話がこれです。いきなり重い。しかもこの時点でジーナとはお別れです。序盤の序盤ですでに夢中になってしまいました。
別れのシーンでのアンディがジーナに投げかける言葉もとても素敵です。これは惚れるしかないですね。
No. 046 現在で会おう 【ヴィクトル】
惚れた女が苦しむ様を見たい男がどこにいる
ヴィクトルからジュイスへの言葉です。この言葉が好きすぎて一時期は自分のプロフィール欄に書いてありました。
まだヴィクトルとジュイスの関係性に詳しくない中でも、この言葉だけで彼が彼女をどれだけ想っているのかひしひしと伝わってきます。なぜ現在はジュイスの隣にいないのでしょうか。まだまだ謎が多い物語だなと思いながら読み進めていた記憶があります。
ひとことでは言い表すことができないなにかが彼と彼女にはある。それを知ることができる日を待ち望んでいました。
No. 048 ボクの知らない物語 【九能明/安野雲】
ここからはボクの知らない物語だ
オータム編です。ここはとても人気の高いお話だと思います。アニメも現時点(2025/01/17)ではここまでで終わっていて、それはもう素晴らしいアニメ化でした。
「不明」の否定能力者かつ未来を知る者として何ができるか。マンガで伝えることならできる。ではそのマンガのタイトルは?
アンデラはこれから先も数多くの伏線が綺麗に回収されていきますが、それが初お披露目となったのがオータム編ともいえるでしょう。今まで何気なく読んできたところから拾われた伏線に驚きを隠せません。安野雲のたったひとりの誰にも知られていない奮闘の物語はいったんここまでで終わりです。これからは彼が描いたヒーローたちの出番です。お母さんに想いよ届け。
No. 051 ヒーロー 【ライラ=ミラー】
リップ あなたはヒーローみたいだね
リップとラトラの会いたい人、ライラ。彼女の言葉はいつまでもリップの心を縛ります。そしてそれをずっと隣で見てきたから、ラトラはその苦しみを知っています。リプラトは至高です。
リップとラトラはオークション編から引き続きオータム編でも登場。アンディと風子にとっては敵とも呼べる存在ですが、完全なる悪役というわけでもなさそうです。ここでもなんだかんだで共闘していますし。
敵味方の関係がよくわからないのもアンデラの特徴だと思います。なぜそんなことになってしまっているのか、これがわかるまでもアンデラの魅力です。そんなわからない中でのアンディ風子リプラトでの共闘でのオータムの討伐。やっとの思いで倒した先に迎えた結末に涙が止まりません。
やっぱりオータム編良いですね......
No. 065 感謝します 【ムイ】
私がお前を否定する
サマー編です。私はこのお話が一番好きです。
シェンのある夏の日の回想から物語は始まり、かつての師であるファンとの闘いに挑みます。不真実も駆使した戦闘シーンは圧巻です。それでもかつての師には敵わない。追い込まれたシェンは覚悟を決めて、あとをムイに託します。
そんなことが起きても良いんだ?と初めて読んだときの衝撃はいまだに覚えています。悲しい別れからの再会、そしてその強さは引き継がれる。しかもその引き継がれた先は無力で役に立てないと思っていたムイちゃんです。どれほど彼女は嬉しかったことでしょうか。その想いとともにありったけをぶつけて勝ち取った勝利も喜びひとしおです。
サマー編、最後にムイちゃんが見つめた先に紡がれる言葉もとても好きです。シェン、ムイ、ファン、また会いましょう。
No. 072 真心 【くるる (来栖貞子)】
愛は真心 恋は下心
UNCHASTE 発動シーンです。このシーンは頭の中に「アレ」がどうしても過ぎってしまいます。くるるは活躍シーンが多くないのでこちらのシーンを。
アンデラとしてはスプリング編のちょっと前にあたります。風子がUNDERのメンバーとして過ごしていた日々にも思い出がたくさんあったことでしょう。全ては語られてはいないけれど、この後のお話を読んでいくとその楽しい日々が自然と頭に浮かんできます。
アイドルに与えられた強制的なチャームの能力というのは恐ろしいです。いくら努力したとしてもその人気は自分の努力ゆえのものではない。彼女がアイドルに懸ける想いを私たちが知ったとき、それはより一層残酷なことだと突き付けられます。
No. 077 On your mark 【トップ=ブル=スパークス】
俺はもう止まらない!!
トップとチカラがクリードに立ち向かうお話です。不停止と不動の組み合わせがアツい。
トップの過去もここで明かされます。どうして不停止は発現し、どういう悲劇がおき、いまは何に苦しめられているのか。今後、否定者たちの過去が明かされるのを読んでいくたびに、涙は流れ胸は痛みます。
もう走りたくないと思っていたはずなのに、それでも彼は今も走り続けています。それは神を倒すまで止まりません。限界まで速さを引き上げてからの正義のキックはたまったものじゃない。
No. 079 なのに俺は 【アンディ】
好きだぜ風子
スプリングとの開戦はもうすぐというところです。意外とアンディは風子の前では直接的な言葉を投げてはいないですね。そういうところは恥ずかしい気持ちというのがあるのでしょうか。なかなかくっつかないところの原因かもしれない。
スプリング編です。スプリングと一心がみどころ。ヒト側についてくれるUMAもいるのかと嬉しい気持ちになったのを覚えています。スプリングは七五調の喋りで粋な感じなところが好きです。ヒトとUMAは分かり合えないと思っていたけれど、そうじゃないこともあるんだと気づかされました。
一緒に遊びましょう。風子もまたその否定能力ゆえに一緒に遊べなかったんですよね。そんな風子とスプリングが一緒に遊んでいる。そこもまた感動的です。
No. 106 人の理はいつだって 【ルイン】
人は誰だって一人しかいないよ?
初めて明確に神側の否定者の登場です。初登場時に植え付けられたトラウマがあるのでこのキャラはそんなに好きではありません。スプリング編終わった!やった!のムードをぶち壊したのはもう忘れません。
このルインの言葉、いま思うとすごく彼の性格をよく表しているなと思いました。ヒトに絶望した彼だから神を崇拝する。そしてそれはこのあとのお話になってもずっとそう。
だけどついにその考えも変わるときが来ます。風子とアンディの人を巻き込んで変えていく力は偉大です。
物語はいわゆる死季編です。ここら辺は本当に掲載順位が低くて毎週打ち切られないのを祈りながら読んでいました。完結した今振り返ってもここはかなり異色な構成になっていたのかなと思います。ここだけほかの話にあまり関わらず、独立している感じ。不健康のルーシーにまた会いたいな。
No. 109 R.I.P. 【ラトラ=ミラー】
アンタが好きな人の為に命をかけていいのなら!私だってアンタの為に…!!命ぐらい!!かけさせてってば!!
アンデラで一番好きなシーンかもしれません。リップに投げかける必死のラトラの言葉に胸が熱くなります。
リップの優しさがラトラにとっての優しさではなかったというところ。ラトラにとってはずっとふたりでライラの為に、と思っていたのにいつまでもこっちを向いてくれない。ただひとりで突っ走るリップに対して思いっきり本音をぶちまけた、とても良いシーンです。
これがあるからこそのアンデラループ後のおはなしが活きてくるわけです。すでにラトラがリップに対して抱えている気持ちは知っているから。そしてその気持ちは彼女の口からは絶対に表には出てこないから。
いつまでも3人でいられるような未来を信じて、アンディに託します。
No. 113 FORGET 【ニコ=フォーゲイル】
かすかに残る この気持ちを 忘れる前に
ニコのことがここで初めてわかります。この話でニコのことが大好きになりました。
科学一辺倒だけれど、ちゃんと妻のことは想っている。想っているのだけど否定能力がその気持ちすらも忘れさせようとしてくる。どんどん神に対するヘイトは高まっていくばかりです。
愛する人のために、これぞアンデラという展開が続いていきます。
No. 121 不公平 【タチアナ】
また私を見つけて 友達になってよね!
否定能力ゆえに友達でも触れ合えない風子とタチアナ。彼女たちの絆はとても深いものであるのに、否定能力が決してそれを許してくれようとはしません。
次のループでもまた会おう。神との闘いはさらに激しさを増していきます。
そしてここではビリーの否定能力のお話も。これを読んで、ああアンデラってホントにすごいな、って思わされました。今まで感じてきたちょっとしたズレが、やっとここで正される。ホントにこのマンガはすごい。
No. 128 Strict Defense 【友才】
抜かせはせん
ラグナロクです。友才さんも出番があまりないですが、裏での活躍ぶりはすさまじいです。
彼女もまたアンディのことが好きな人のひとりですが、そのあたりはループ後どうなんでしょうね。何かおまけが欲しいところです。
「不抜」の能力って面白いなと思います。使いどころを間違えると負けもある、扱いには難しいですが。居合の達人なのに「不抜」というのもまた憎らしい。
No. 129 心器 【ジュイス】
4554億年 不死を苦しめた 神への怒りを!!
これまでにない最高の状態でジュイスは神に挑みます。これまでの数多のループでの憎しみを力に変え全力で。
ヴィクトルとジュイスの関係もここで明かされました。この時点でだいたいのことが明かされたのでもう思い残すことはないな、とも思っていました。
「愛」ゆえのすれ違い。とても苦しいです。
ふたりだけが神との戦いのすべてを知っている。でもそれもこれで最後。ジュイスとしての想いは風子に託されます。
No. 132 LOOP ~Time to Go~ 【出雲風子】
最後のループで私達は神を絶対に否定する
風子の覚悟を決めた表情が忘れられません。
よくぞここまでアンデラが続いてくれた。見たいところまで見ることが出来た。でも本当の戦いはまだまだこれからというところ。ラグナロク編はホントに毎週が面白くて待ち遠しかったです。
全員が繋いでくれた想いを胸に、いざ次の戦いへ。
No. 144 Next Ring 【ボイド=ボルクス】
あるんだな!! まだ!! オレがいていい世界が…!!
仲間を次々と集めていきます。ボイドは序盤で退場してしまったのであまり思い入れがなかったキャラですが、ここで彼のことを知れて嬉しかったです。
こうやって知らない一面を知りながらどんどん仲間を集めていくんだ、とわくわくしながら読んでいたのを覚えています。アンデラはまだまだ終わらない。
No. 147 RUN-IN 【テラー】
世界が水平になるその日まで
UNDERメンバーのための否定者戦争編です。これもメンバーの知らなかった一面がどんどん知れるようになってとても嬉しかったです。
テラーはかっこよくてかわいいですね。仲間たちからも癒しの存在としてかなり好く思われていそうです。
否定能力の発現タイミングはさすがに神です。テラーの後ろで輝く月が忘れられません。
No. 149 You see me now? 【ショーン=ダッツ】
オレは主役になりたかったんだ
まさかのショーンの回があるんだ、って驚きました。「愛」を描いた物語はもちろんですが、「家族」を描いている回も多いなと思います。
ショーンの今後を左右する良いおはなしです。ここから彼の人気も上がっていきます。ジーナとショーンのコンビのわちゃわちゃがちっちゃく描かれているのを見るのもまた楽しいです。
No. 152 Gun Fight 【ビリー=アルフレッド】
それでやっと公平なんだ
ビリーが目指してきた「公平」とは。そうかそのパターンもあるのか、とこの回は驚かされました。
否定能力の発動条件がビリーをややこしくしてきたわけですが、じゃあ今回はどうするのだろう。こうします。は???
という感じです。とてもスマートで素敵な解決だなと思いました。だからアンデラが好き。
No. 153 Fair play 【クリード=デッカード】
指揮官がなにベソかいてんだ!!士気が減る!!引っこめろ!!
「不減」の発現もまた神でしたね......クリードはどこまでいっても軍人だなあと思える良い言葉です。
ぶっきらぼうで顔も怖いですが、とても仲間思いなキャラなんだなとこの戦争編を通して思いました。前ループでひたすら悪役っぽかった彼の印象ががらりと変わりました。
もうすべては否定能力が悪くて、全部神のせいなんですね。
No. 159 Entruster 【フィル】
ボクにも感情が魂があったよ
フィルくん、とても良い子です。そして皮肉にも発現するのは「不感」の能力。徹底的に不幸に陥れてきます。
宇宙編はニコの想いもアツかった。科学がどう使われるべきか。彼のブレない矜持がかっこよいです。
このあたりからホントにアンデラはなんでもありになってきてとても楽しかったです。仲間集めとともに知らない一面もどんどん知れてループ後もアツい。
No. 166 不真実 【シェン=シアン】
ずっと一緒に強くなろう!!ジジイとババアになっても!!
ムイちゃんがループ後普通に強くなっていたことがどれだけ嬉しかったことか。自力で肩を並べて戦えるようになったんだね......
当たり前のようにシェンムイなんですが、この二人はいつも唐突にその繋がりを見せつけられる。シェンムイ界隈はいつも唐突な公式からの供給が衝撃です。
しかもこの言葉がまさか伏線になろうとは思いもしませんでした。
No. 167 馬鹿息子 【ファン=クーロン】
このファン=クーロン 老い尽きるまで最強の座にて挑戦を待つ!!
ループ後の人気急上昇度第1位ファン。彼はありとあらゆるところで活躍し、そのツンデレぶりと戦闘狂ぶりにいつも笑いが止まりません。
「不老」の能力の悲劇ってなんだろう。ファンだからこその悲劇にもの悲しさを感じます。でも良い弟子を持つことができて良かったですね。
ファンの名シーンはここよりもあとの「不老」にまつわるシーンがあったりします。あれもホントに、これぞアンデラ!、の名シーンです。
No. 172 動けたんだ 【重野力】
ここで動かなきゃ ボクはずっと不動のままだ
チカラを仲間にするための学園コメディ編。学校に行ったことがない風子が大暴れ、ユニオン教師陣の配置科目も面白いです。しっかりといちゃついているニコとイチコも見逃せません。
チカラもすごく素直で良い子で友人にも恵まれているなと思います。涼ちゃんは否定能力者ではないけれど、前ループ含めてチカラの大きな支えとなっていて、とても良い友人だなあと。
叶わなかった高校の卒業を見届けられて良かったです。
No. 176 その為にオレは 【リップ=トリスタン】
オレは変わらない為に頑張ってたんだけど
リップ、ラトラ、ライラの三角関係の結末は。今回こそは3人で幸せになるために。
この海辺のシーンがとても好きです。青春している感じと現在と過去が交錯する描写が良い。いつもいつまでも3人でいられると思っていたけれど、ちょっとずつ変わっていった。身を引こうというラトラの優しさもあるからでしょう。でも、リップが守りたかったのは2人いる。と、前ループでも明確に言っています。
アンデラで長くライバル的立ち位置にいたキャラなので思い入れも特に強いです。ここまで長かったね。
アンデラのお話的にはここで絶対理、上位十理の存在が明かされいよいよ最後に倒すべき相手も出てきてさらに先の展開から目が離せなくなります。
No. 185 おあがりよ 【番場円陣】
ワシはただお前のお袋さんの愛情を小さじ一杯借りただけじゃ
ラーメン編です。ホントになんでもあり。
前ループのUNDERでの基地のやり取り、好き。やっぱり全てが明かされているわけではないけれど、ここで風子が過ごした日々は思い出なのでしょう。
スタンダードに良いお話でした。仲間も増えてきてわちゃわちゃコミカルなところも良い。
No. 194 Beast 【一心 (山岡春歌)】
ここで行かねば 私は不壊の前に人にあらず
ビースト編でトップ一心。やさぐれたトップくんにちょっとしたショックを受けつつも一心とは仲良くやっていそうで安心です。一心もたくましくなっていて力強い。
最終決戦前の最後の重要な要素、「魂」についてのお話です。今までも「魂」について何度も触れられてはきましたが、ここで明確にその存在を意識するようになります。
どうして「不壊」は代々引き継ぐことが出来ていたのか、そんな所以をまだ残していたのかと驚きです。流石はアンデラ。
No. 204 得意不忘言 【イチコ=ネムリ】
初めて好きになった 男なんだから
ランゲージ編でイチコニコ。イチコのタイミングがホントにずるい......
どうしてニコは前ループランゲージを単騎討伐できたのか。まさかここで回収されることがあるなんて。律儀にやってくれてとても嬉しいです。
この「不忘」の発現タイミングが完璧すぎるんですよね。ここまでのありとあらゆる流れを全部使って、ここぞ!というタイミングでの発動。驚きと感動しかない。
ランゲージ戦の幕引きもまた素晴らしい。このマンガ、何度もケーキ入刀を見せられている気がする。
No. 209 クソ喰らえ 【楓】
その運に私がついていけてない
アイドル編はやるだろうとは思っていたものの風子の両親が登場するなんて。
この話は否定能力とソウルのせいでなにがやりたかったかはあまりわかってないんですよね。ここら辺は沈んでいた時期とも思います。
アイドルとしての楓の本心がそのまま出たこの言葉。「不運」ではないけれど、風子に通じるものがあって良いなと思いました。涙をこらえながら風子に語るのも印象的です。
物語的にはこのあとは最後のタチアナ編です。彼女の最後の晴れ舞台のためにユニオンが決死の覚悟で向かっていったのが良かったです。
No. 226 黙示録 【アポカリプス】
最期の報酬だ…
報酬と書いて正義と読む。ジュイスをずっと横で見てきたからこそのこの言葉。アポジュイも良い......この関係が好きでちょっとした二次創作掌編を書いたのも良い思い出です。
No. 227 アタシはどっちも! 【ジーナ=チェンバー】
私は!!どっちも好き!!
このループのジーナが活き活きとした活躍を見せるたびに嬉しくなります。この回はアンデラが始まった当初のことに対してのひとつの答えです。ここまで連載が長く続かなければこの答えにたどり着くまでのジーナを見ることは叶わなかったことでしょう。
普遍で、不変で。彼女の成長を見届けられたことに感謝します。
No. 230 不死不正義 【ジュリア=U=スティティア】
ハッピーエンドにしよう ヴィクトル
すべてはこのふたりから始まって。愛するものの苦しむ様が見たくなくて。お互いが離ればなれになってしまったこともあったけれど、最後はふたたび一緒に。
アンデッドアンジャスティスで最終決戦へ。感無量です。
No. 231 Re member 【バニー (バックス)】
んリップゥ!!ねーたま!!
ダブルミーニングのタイトル。ふたたびリップとラトラに会えて良かったね、ホントに良かった......
「不出」の能力も難しそうであまり全容も見えてないのでここもちょっと知りたいかもしれない。
No. 232 Assault 【アンディ】
最後の…最強の組織だ!!
すべての仲間が終結し、最高の未来はもう目の前だ!
おわりに
ひたすらに「愛」の物語でした。誰かを想うことで「魂」の強さは何倍にも膨れ上がる。ループ前はその「魂」の強さの向きが合わなくていがみあい十全に協力することが叶わなかった。ループ後は完璧なユニオンを。
いろんな人の悲劇を回避して「愛」の強さを神に全力でぶつけるために。出雲風子がループ後に言ったこの言葉がまさにこのマンガの全てだと思います。
誰かを想う 変わらない心 それを持った人が最強だったよ
──No.137 変わらなければ
そしてこれは不死のアンディと不運の出雲風子が「最高の死を見つけるお話」です。この二人がそれを見つけられて、そしてそれを見届けることが出来て嬉しかったです。
『アンデッドアンラック』完結、おつかれさまでした。
おまけ
ちょっとだけ個人的な思い出を。
アニメ化にあたっていろんなところのイベントに参加しました。そのためにひとりで京都に行ったり、ビッグサイトに初めて行ったり、と走り回ったのも良い思い出です。
一番の思い出はやっぱりアニメのワールドプレミアの先行上映です。1,2 話を一足先に見れたときの嬉しさは未だに忘れられません。かっこよいOPとまさかのヴィクジュイEDの衝撃も覚えています。加えて豪華な声優陣たちのトークも。しかも前方の席ではっきりと。本当に嬉しかった。
苦しかったあの時期の支えがアンデラでした。サマー編の面白さはいまだに忘れられません。あれがあったから、頑張ろうと思えました。ありがとう、アンデラ。
2024年読んだ本
2024年上半期
1月
1. 斜線堂有紀『キネマ探偵カレイドミステリー』
2. 斜線堂有紀『キネマ探偵カレイドミステリー 〜再演奇縁のアンコール〜』
3. 斜線堂有紀『キネマ探偵カレイドミステリー 〜輪転不変のフォールアウト〜』
4. 斜線堂有紀『恋に至る病』
5. 斜線堂有紀『コールミー・バイ・ノーネーム』
6. 屋久ユウキ『弱キャラ友崎くんLv. 11』
7. 加納朋子『1(ONE)』
8. 砥上裕將『一線の湖』
9. はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の冒険 新装版』
10. 中村あき『ロジック・ロック・フェスティバル ~Logic Lock Festival~ 探偵殺しのパラドックス』
11. 伴名練『少女禁区』
12. 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』
13. ホリー・ジャクソン『受験生は謎解きに向かない』
14. 賀東招二『フルメタル・パニック! Family』
15. 森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』
2月
16. 成田良悟『デュラララ!!』
17. 成田良悟『デュラララ!!×2』
18. 成田良悟『デュラララ!!×3』
19. 古野まほろ『天帝のつかわせる御矢』
20. 成田良悟『デュラララ!!×4』
21. 飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』
22. 成田良悟『デュラララ!!×5』
23. 成田良悟『デュラララ!!×6』
24. 朝井リョウ『少女は卒業しない』
25. 彩坂美月『double〜彼岸荘の殺人〜』
26. 知念実希人『羅針盤の殺意 天久鷹央の推理カルテ』
27. 成田良悟『デュラララ!!×7』
28. 成田良悟『デュラララ!!×8』
29. 成田良悟『デュラララ!!×9』
30. 斜線堂有紀『死体埋め部の悔恨と青春』
31. 阿津川辰海『黄土館の殺人』
32. はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の新冒険 新装版』
33. 成田良悟『デュラララ!!×10』
34. 斜線堂有紀『死体埋め部の回想と再興』
35. 中西鼎『たかが従姉妹との恋。3』
36. 古野まほろ『天帝の愛でたまう孤島』
37. 手代木正太郎『涜神館殺人事件』
38. 佐月実『ミナヅキトウカの思考実験』
39. 成田良悟『デュラララ!!×11』
40. 零余子『夏目漱石ファンタジア』
41. 甲田学人『ほうかごがかり』
42. 松樹凛『射手座の香る夏』
3月
43. 似鳥鶏『刑事王子』
44. fudaraku『竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る』
45. 榊林銘『毒入り火刑法廷』
46. 白倉由美『夜明けと白と屍の病』
47. 成田良悟『デュラララ!!×12』
48. 成田良悟『デュラララ!!×13』
49. 西条陽『わたし、二番目の彼女でいいから。7』
50. 衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編11』
51. 駿馬京『あんたで日常を彩りたい』
52. 甲田学人『ほうかごがかり2』
53. 成田良悟『Fate/strange Fake①』
54. 成田良悟『Fate/strange Fake②』
55. 夕木春央『サロメの断頭台』
56. アレックス・マイクリーディーズ『ザ・メイデンズ ギリシャ悲劇の殺人』
57. 紺野天龍『雛森寧子のミステリな日々 コンビ作家の誕生』
58. 飛鳥部勝則『殉教カテリナ車輪』
59. 間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』
60. ドナ・バーバ・ヒグエラ『最後の語り部』
61. 西條八十/芦辺拓 編『あらしの白ばと』
62. 恩田陸『チョコレートコスモス』
63. 紙城境介『シャーロック+アカデミー Logic. 3 カラスが虹に染まる時』
64. 早坂吝『VR浮遊館の謎 探偵AIのリアル・ディープラーニング』
65. 浅倉秋成『家族解散まで千キロメートル』
4月
66. 成田良悟『Fate/strange Fake③』
67. はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ㉑ 神々のゲーム』
68. 森博嗣『何故エリーズは語らなかったのか?Why Didn’t Elise Speak?』
69. 森晶麿『切断島の殺戮理論』
70. 真門浩平『ぼくらは回収しない』
71. 恩田陸『spring』
72. 南海遊『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした』
73. 成田良悟『Fate/strange Fake④』
74. 成田良悟『Fate/strange Fake⑤』
75. 斜線堂有紀『プロジェクト・モリアーティ 01 絶対に成績が上がる塾』
76. 氷川透『真っ暗な夜明け』
77. 米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』
78. 村木美涼『冷蔵庫のように孤独に』
79. にのまえあきら『無貌の君へ、白紙の僕より』
80. 信国遥『あなたに聞いて貰いたい七つの殺人』
81. 桃野雑派『蝋燭は燃えているか』
82. 空木春宵『感傷ファンタスマゴリィ』
83. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争』
84. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争2』
85. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争3』
86. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争4』
5月
87. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争5』
88. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争6』
89. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争7』
90. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争8』
91. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争9』
92. 師走トオル『僕と彼女のゲーム戦争10』
93. 望公太『小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている』
94. 眞田天佑『多元宇宙的青春の破れ、無二の君が待つ未来』
95. 三船いずれ『青を欺く2』
96. 桂嶋エイダ『ドスケベ催眠術師の子2』
97. 石踏一榮『ハイスクールD×D1 旧校舎のディアボロス』
98. 石踏一榮『ハイスクールD×D2 戦闘校舎のフェニックス』
99. 石踏一榮『ハイスクールD×D3 月光校庭のエクスカリバー』
100. 石踏一榮『ハイスクールD×D4 停止教室のヴァンパイア』
101. 石踏一榮『ハイスクールD×D5 冥界合宿のヘルキャット』
102. 石踏一榮『ハイスクールD×D6 体育館裏のホーリー』
103. 石踏一榮『ハイスクールD×D7 放課後のラグナロク』
104. 石踏一榮『ハイスクールD×D8 アクマのおしごと』
105. 石踏一榮『ハイスクールD×D9 修学旅行はパンデモニウム』
106. 石踏一榮『ハイスクールD×D10 学園祭のライオンハート』
107. 甲田学人『ほうかごがかり3』
108. 宮田眞砂『セント・アグネスの純心 花姉妹の事件簿』
6月
109. 櫻田智也『六色の蛹』
110. 平坂読『変人のサラダボウル6』
111. 芝宮青十『美少女フィギュアのお医者さんは青春を治せるか』
2024年下半期
7月
112. はやみねかおる『怪盗クイーン インド『もう一つの0』』
113. 八目迷『ミモザの告白5』
114. 白鳥士郎『りゅうおうのおしごと!19』
115. 今村昌弘『明智恭介の奔走』
116. 平坂読『妹さえいればいい。』
117. 平坂読『妹さえいればいい。2』
118. 平坂読『妹さえいればいい。3』
119. 平石貴樹『室蘭地球岬のフィナーレ』
120. 畑野ライ麦『恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい』
121. 篠谷巧『夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体』
122. 平坂読『妹さえいればいい。4』
123. 平坂読『妹さえいればいい。5』
124. 平坂読『妹さえいればいい。6』
125. 平坂読『妹さえいればいい。7』
126. 平坂読『妹さえいればいい。8』
127. 平坂読『妹さえいればいい。9』
128. 平坂読『妹さえいればいい。10』
129. 平坂読『妹さえいればいい。11』
130. 平坂読『妹さえいればいい。12』
131. 平坂読『妹さえいればいい。13』
132. 平坂読『妹さえいればいい。14』
133. 河野裕『さよならの言い方なんて知らない。9』
8月
134. 衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12』
135. 武田綾乃『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のみんなの話』
136. 平坂読『変人のサラダボウル7』
137. 新名智『雷龍楼の殺人』
138. 名取佐和子『銀河の図書室』
139. 鯨井あめ『沙を噛め、肺魚』
140. 穂波了『月面にアームストロングの足跡は存在しない』
141. 佐藤多佳子『サマータイム』
142. 高島雄哉『エンタングル:ガール』
143. 鴨志田一『青春ブタ野郎はガールフレンドの夢を見ない』
144. 高島雄哉『ホロニック:ガール』
145. 京極夏彦『姑獲鳥の夏』
146. 上條一輝『深淵のテレパス』
147. 津原泰水『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』
148. 阿津川辰海『バーニング・ダンサー』
149. 有栖川有栖『日本扇の謎』
150. 高山環『夏のピルグリム』
151. 陸秋槎『喪服の似合う少女』
152. クリスティン・ペリン『白薔薇殺人事件』
153. 結城真一郎『難問の多い料理店』
154. 穂波了『忍鳥摩季の紳士的な推理』
155. 増田こうすけ『ギャグ小説日和 転校生』
156. 緒乃ワサビ『天才少女は重力場で踊る』
157. 川岸殴魚『人生』
158. 川岸殴魚『人生 第2章』
159. 川岸殴魚『人生 第3章』
160. 川岸殴魚『人生 第4章』
161. 川岸殴魚『人生 第5章』
162. 川岸殴魚『人生 第6章』
163. 川岸殴魚『人生 第7章』
164. 川岸殴魚『人生 第8章』
165. 川岸殴魚『人生 第9章』
166. 川岸殴魚『人生 第10章』
167. 枩葉松『大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話』
168. 青葉寄『夏に溺れる』
169. 水沢あきと『かつてゲームクリエイターを目指してた俺、会社を辞めてギャルJKの社畜になる。』
170. 方丈貴恵『少女には向かない完全犯罪』
171. 鳴海雪華『余命わずかなキミと一緒に、初恋を探しに行く』
172. 六畳のえる『ゆるふわ先輩は枕で変わる』
173. 春暮康一『一億年のテレスコープ』
174. 斜線堂有紀『星が人を愛すことなかれ』
175. 宮西建礼『銀河風帆走』
176. 市川憂人『牢獄学舎の殺人 未完図書委員会の事件簿』
177. 河野裕『彗星を追うヴァンパイア』
9月
178. M・W・クレイヴン『ボタニストの殺人 〔上〕』
179. M・W・クレイヴン『ボタニストの殺人 〔下〕』
180. 倉知淳『死体で遊ぶな大人たち』
181. ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
182. 井上先斗『イッツ・ダ・ボム』
183. 桜庭一樹『名探偵の有害性』
184. 斜線堂有紀『ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に』
185. 小松立人『そして誰もいなくなるのか』
186. 日日綴郎『放課後の教室に、恋はつもる。』
187. クリス・ウィタカー『終わりなき夜に少女は』
188. 『ミステリー小説集 脱出』
10月
189. 三秋縋『スターティング・オーヴァー』
190. 三秋縋『いたいのいたいの、とんでゆけ』
191. 鴨志田一『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』
192. 逸木裕『彼女が探偵でなければ』
193. 山口未桜『禁忌の子』
194. 三秋縋『君が電話をかけていた場所』
195. 三秋縋『僕が電話をかけていた場所』
196. ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ『止まった時計』
197. 三秋縋『恋する寄生虫』
198. 御宮ゆう『カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています after story』
199. 早月やたか『ギャルにも負ケズ』
200. 三秋縋『さくらのまち』
201. 皆川博子『開かせていただき光栄です ─DILATED TO MEET YOU─』
202. 服部大河『はじめよう、ヒーロー不在の戦線を。』
203. 浅倉秋成『まず良識をみじん切りにします』
204. 北森鴻『凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI』
11月
205. 紙城境介『継母の連れ子が元カノだった12 男なんて一人しかいない』
206. 紙城境介『Tier1姉妹 有名四姉妹は僕なしでは生きられない』
207. 北森鴻『触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII』
208. 北森鴻『写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII』
209. 北森鴻/浅野里沙子『邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV』
210. 北森鴻/浅野里沙子『天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルV』
211. 逆井卓馬『よって、初恋は証明された。-デルタとガンマの理学部ノート1-』
212. 北森鴻『うさぎ幻化行』
213. 渋谷瑞也『ヒロイン100人好きにして?』
214. 東川篤哉『放課後はミステリーとともに』
215. 東川篤哉『探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに』
216. 東川篤哉『朝比奈さんと秘密の相棒』
217. 井上雅彦『宵闇色の水瓶 怪奇幻想短編集』
218. 飛鳥部勝則『ヴェロニカの鍵』
219. 野﨑まど『小説』
220. 島田荘司『御手洗潔の挨拶』
12月
221. 谷川流『涼宮ハルヒの劇場』
222. 衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5』
223. 水鏡月聖『白いドレスと紅い月がとけあう夜に』
224. 寺場糸『僕はライトノベルの主人公』
225. 賀東招二『フルメタル・パニック!Family2』
226. 桂嶋エイダ『ドスケベ催眠術師の子3』
227. 七菜なな『ちゃんと好きって言える子無双』
228. 零真似『がらんどうイミテーションラヴァーズ』
229. 御宮ゆう『あの頃イイ感じだった女子たちと同じクラスになりました』
230. 『有栖川有栖に捧げる七つの謎』
231. 永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』
232. 柞刈湯葉『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』
233. 古泉迦十『崑崙奴』
234. 涼暮皐『君を「ナツキ」と呼ぶまでの物語』
235. 北条連理『これが「恋」だと言うのなら、誰か「好き」の定義を教えてくれ。』
236. 七転『営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常』
237. 野中春樹『嫉妬探偵の蛇谷さん』
238. 榛名丼『レプリカだって恋をする。4』
239. 駿馬京『あんたで日常を彩りたい2』
240. 谷夏読『この恋だけは推理らない』
241. 雨井湖音『僕たちの青春はちょっとだけ特別』
242. 畑野ライ麦『恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい2』
243. かわいさん『学園の姫攻略始めたら修羅場になってた件』
244. 色付きカルテ『非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?』
245. 倉知淳『猫の耳に甘い唄を』
246. 四季大雅『クラスで浮いてる宇良々川さん』
247. 北条連理『これが「恋」だと言うのなら、誰か「好き」の定義を教えてくれ。2』
248. 深沢仁『ふたりの窓の外』
249. 砥上裕將『11ミリのふたつ星 〜視能訓練士 野宮恭一〜』
250. 久住四季『神様の次くらいに 人の死なない謎解きミステリ集』
251. 結乃拓也『一つ年上で姉の友達の美人先輩は俺だけを死ぬほど甘やかす。』
252. 井上真偽『引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理』
253. 斜線堂有紀『プロジェクト・モリアーティ2 正義の名探偵と体育祭の怪人』
「Over the prism」収録曲の歌詞から振り返る アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season」
アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season」(シャニアニ2期)において、各ユニットが新曲を披露している。これらは「Over the prism」に収録された曲になる。それらにはどれも「未来」に関わる歌詞が含まれるという共通点がある。このことに注目しながら、もう一度シャニアニ2nd seasonについて振り返ってみようと思う。範囲はアニメに限定。ネタバレはあり。
- アンティーカ「橙より未来」
- アルストロメリア「With you」
- ストレイライト「Future Designer」
- 放課後クライマックスガールズ「さあ舞い上がれ」
- ノクチル「未来へのSign」
- イルミネーションスターズ「星の数だけ」
- 「プリズムフレア」
アンティーカ「橙より未来」
「橙のなか 鮮明になる 小さな未来の肖像」
アンティーカがバラバラになり曖昧な方向へ進みかけていたところに、咲耶が感じていた不安。最後にユニットメンバー全員が揃い一致団結することで、その不安が取り除かれる。
夕陽と共に描かれたこのシーンを「鮮明に」表している歌詞。そして向かう未来の形も「鮮明に」見えてきた瞬間でもあると思う。
「確固とした未来」へと向かっていく、これがアンティーカ。
アルストロメリア「With you」
「これから始まる未来のすべてが 楽しいことばかりじゃないとしても 手をつないだら歩き出そう ずっとだよwith you」
この回はアルストロメリアの3人がギクシャクしながら話が展開される。本音で語り合えないうちに事態はどんどん悪い方向へ進んでいく。これまで仲良くやれてきたはずなのに。
この状況を打破するための「反対ごっこ」。これを通して、擬似的にお互いを傷つけあうことが出来るようになる。「これから始まる未来のすべてが楽しいことばかりじゃない」ことのひとつ目の試練なのだと思う。でも「手をつないだら」3人でもそんな未来に立ち向かっていける。これこそがこのユニットの強さだと思う。
「3人での未来」を進んでいく、これがアルストロメリア。
ストレイライト「Future Designer」
「未来は待つものじゃなくて夢を掲げ創る世界」
ストレイライトもいよいよこれから、というところにちょっとしたスキャンダルが。和泉愛依を通して、ユニットとしての在り方が描かれる。
彼女たち3人はとても意志が強いと思う。私はこうだからこうだ、というものがとても強く全面に表れていると感じる。ここまでの2ユニットの優しいイメージに対して、嵐の中を無理やり進んでいく、そんな強さがある。
「確定しない未来」を切り拓いていく、これがストレイライト。
放課後クライマックスガールズ「さあ舞い上がれ」
「Wake up この胸の未来 Wake up 呼び起こす今」
智代子のアイドルとしての悩みを通して、放クラの面々も自身のアイドル像を見つめ直していく回。
彼女たちのアイドル像はその胸の内にしっかりとある。それがそのまま表に出てくるメンバーもいれば、そうでないメンバーもいる。みんなで心の内を語り合っていくシーンも印象的なこの回。語り合っていくうちに、自分をさらけ出しても良いんだという安心感が生まれ、それでやっと表に出せるのだと思う。
「内に秘めた未来」を表に出していく、これが放課後クライマックスガールズ。
ノクチル「未来へのSign」
「僕らが見上げた空に名前がつくまで」
ノクチルだけ歌詞に「未来」が出てこない。暗示させるような言葉だけで表されている。これは他ユニットに比べて不安定で向かう先もわかっていないことを表していると思った。
2nd seasonでは櫻木真乃が浅倉透に投げかける言葉を通して、アイドルとしての行く先を少しずつ示していく。真乃自身もまだわかっていないながらも、優しく自分らしい言葉で導こうとしている。そんな言葉が透の心に響き、ノクチルのみんなに向かって駆け出していくシーンがとても印象的だ。
「名も無き未来」に名前がつけられるように、これがノクチル。
イルミネーションスターズ「星の数だけ」
「誇らしそうに咲く花はただここで咲く未来をずっと信じていたんだね」
イルミネはメイン回らしいメイン回がない。その代わりに、真乃が他のユニットを率いてシャイニーカラーズをまとめ上げていく、というところに焦点を当ててイルミネは描かれている。
他ユニットを立たせることにじっと集中してきたことをこの歌詞は表しているのだろうか。ドラマチックに描かれはしなかったイルミネだが、みんなも輝けるステージを作ることが彼女たちの誇らしい物語だったのかもしれない。
「輝きのある未来」をみんなに届ける、これがイルミネーションスターズ。
「プリズムフレア」
「羽ばたき続けるわたし達の空が辿り着く未来でなりたい自分になるんだ」
ユニットごとに描いてきたシャニアニで、いよいよ最後に流れるのがこの曲。ここにも「未来」が描かれている。
彼女たちのこれからを感じさせる歌詞になっている。まさに最終回に相応しい。どういうアイドルになりたいのか、これを繰り返し繰り返し自問自答し考えてきた彼女たちは、今回のライブできっと何かしらの答えを表せていることでしょう。それぞれのアイドルとしての想い、つまりそれぞれの「色」でその「未来」に彩りが加わっていく。
なぜかタイトルに「未来」が多いな、というところから考えてみた。歌詞を見ていくうちにどれも「未来」という言葉が含まれている、のにノクチルだけないのもまた面白いなと思った。もうちょっと深掘りして考えられそうなところもあるけれど、今回はざっくりここまで。
シャニアニ面白いです。
アニメ「アイドルマスターシャイニーカラーズ」全話感想
アニメ「アイドルマスターシャイニーカラーズ」(以下、アイマス、シャニアニ、シャニマス)が全24話の放送を終えましたので、ネタバレありで感想を書いていこうと思います。先行上映で全6回分を見てその時にも感想は上げてはいますが、まだ放送前ということもあり押さえ気味であったので、ここではその時に感じたことを中心に振り返りながら書いていきます。あくまでもアニメを見た感想なので、シャニマスのコミュがこうなので~というようなことは書かないと思います。(というかほとんど読んだことがないので書けません。)
はじめに
私のアイドルマスターとの関わりを書いてみます。
2015年に「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」がリリースされました。このリズムゲームが私とアイマスの初めての本格的な出会いです。単純にリズムゲームとして楽しんでいて、あまりキャラクターのコミュなどには興味がありませんでした。このゲームはもう何年もやり続けていました。
2023年に「アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism」(以下、シャニソン)がリリースされることを知りました。かねてからシャニマスのことは気になっていましたが、いよいよリズムゲームが出るとのことでそれなら私も楽しめると思い、リリースを心待ちにしていました。
ちょうどそのタイミングでシャニアニが劇場で先行上映が始まったところでした。良い機会なので、アイマスに向き合ってみようと思いアニメ「アイドルマスター」と「アイドルマスター シンデレラガールズ」を一気に見ました。
初めはそれほど期待していませんでしたが、見ていくうちに、彼女たちがアイドルしてどのように成長していくのか、それが心情の葛藤ともに描かれていてとても面白かったです。特に全体のまとめ役になる天海春香や島村卯月の成長には涙をこらえることが出来ませんでした。
すっかりアニメアイマスに夢中になりました。シャニアニはどうなるのだろうか。期待を胸に抱きながら、初めてシャニマスのアイドルたちに触れていくことになります。
1st season 第1章
1~4話までのお話になります。
・1話「一人分の空、一枚の羽根」
今回のまとめ役になるであろう櫻木真乃が出てきます。どうやら今回は明確にユニットごとでお話が進められていくようです。この時点でも今までとは違うなという驚きがありました。まだ見ぬアイドルたちにとてもわくわくします。
・2話「ウタという炎」
アンティーカのメイン回です。MVの撮影を進めていくようです。どうなるのかなと見ていくと、急に音楽が鳴り始めパフォーマンスが始まりました。このときかなりの衝撃を受けたことを覚えています。これまでのアニメアイマスシリーズではパフォーマンスつまりライブシーンは1クール目終わりと2クール目終わりくらいでしか描かれていませんでした。でも、シャニアニではこんな最序盤から繰り出されるなんて。今までと異なるその演出に驚きを隠せませんでした。
・3話「未来への憧れ」
アルストロメリアのメイン回です。この回を見てアルストロメリア推しになりました。
ですが、この回はストーリーとしては面白くないと思います。ただこの三人の妙な仲の良さが気になって仕方がなかったのです。そしてなんとこの回でもしっかりとパフォーマンスがありました。次の4話にも期待が高まります。
・4話「本当のヒーロー!」
放課後クライマックスガールズのメイン回です。これまでにもちょっとしたシーンでコミカルに描かれていたのがこのユニットです。そんなユニットがどういう風にピシッとしっかり決めてくるのだろうと、ちょっと不安もありました。
結果的に今回の先行上映回のなかではこのお話が一番好きです。果穂を中心としてヒーローショーをユニット全員で作り上げていく。そんな彼女たちの姿を見ながら、頑張れ、頑張れ、と心の中で応援をしていました。圧巻のライブパフォーマンスでした。
・振り返り
ユニット単位で動くというのとライブパフォーマンスをバンバン繰り出しているのが新鮮でした。そしてどのユニットもユニットとしてまとまろうとする仲の良さが心地よかったです。帰ったあとすぐに「バベルシティ・グレイス」「アルストロメリア」「夢咲きAfter school」をダウンロードしました。
1st season 第2章
5~8話までのお話になります。
・5話「3人だけのフォーメーション」
イルミネーションスターズのメイン回です。デビューライブに向けて準備を進めていきます。
他のユニットと違い、まだ結成されたばかりなのでどこか距離がある3人。この3人がしっかりとまとまっていく、そんな不安定なところをソワソワしながら見ていました。無事にパフォーマンスを届けられた3人を見て、良かったなあと安心した自分がいます。
ここまでで全ユニットの紹介が一区切りする形になります。
・6話「今のすべてを」
ユニット紹介が終わってどんな話になるのだろうとわくわくしていたのを覚えています。W.I.N.G.での優勝に向かって各ユニットそれぞれの日常が描かれていきます。
仲が良いなと共通して思いつつもユニットによって異なるところがある、というのが少しずつわかるようになってきました。各ユニットたちの描写からどういうユニットなのかと自分の中でのとらえ方を確立していくのが楽しかったです。
・7話「W.I.N.Gへの軌跡」
283プロダクションの密着ドキュメンタリーを見ながら、W.I.N.Gを振り返っていく回になります。放クラのみんなの前で悔し涙を流す小宮果穂の姿に私は涙をこらえることが出来ませんでした。月岡恋鐘はみんなの前では涙を見せずにこらえていたというのに。このふたりの悔しさがとても強く印象に残っていることを覚えています。
・8話「照らし合う景色」
ファーストライブに向けて283プロが一体となっていきます。これまではユニットごとの掘り下げであったところをユニットの垣根を越えた描き方に変わっていきます。
アルストと放クラがそれぞれのユニットの良いところを取り入れながら新たな一歩を踏み出していきます。悔しい経験を経て他のユニットから自分たちにないものを吸収し成長していく。シャイニーカラーズのみんなに対してどんどん愛おしい気持ちが強くなっていきます。
・振り返り
ちょっとずつ全体ユニットに向けた動きが始まりました。これまでのアニメアイマスシリーズと同様に最後のライブシーンに期待で胸が膨らみます。
1st season 第3章
9~12話までのお話になります。
・9話「最初の勇気」
真乃にセンターの依頼が来ます。ついにこのときが来たと思いました。メインとなる子がいかにして全体のユニットをまとめ上げて関わっていくのか。真乃らしい答えに辿り着いてほしいなと思いながら見ていました。
・10話「色とりどりのイメージ」
全ユニットでの合宿。ひとつにまとまるための交流がとても微笑ましいです。
全体曲が課題になっていきます。これまでのユニット内でのパフォーマンスと異なり、もっと大人数でのパフォーマンスの完成度の高さが求められます。彼女たちが一歩ずつ着実に新たなステージに進み成長している。そんな姿に思わず目頭が熱くなります。
・11話「バトンをつないで」
これも衝撃を受けました。最終話1話だけでライブをやると思っていたからです。まさかの2話に渡っての構成に、シャニマスがこれまでのアイマスシリーズとは違う、と少しずつ感じ始めるようになります。ライブシーンは相変わらず圧巻です。
・12話「Spread the Wings!!」
16人がそれぞれの色で羽ばたこうとしている。彼女たちの未来は彩り鮮やかものになるでしょう。ここまで無事に辿り着けて良かった。ほっと一安心したのを覚えています。
ここに至るまで、シャニソンはリリースされて私も本格的にプレイを進めているところでした。というわけで、最後のところでストレイライトとノクチルの面々が顔を見せたところは歓喜でした。2クール目があるんだ。まだこの先のお話があるんだ。
まだまだシャニアニは終わらない、ということに嬉しくなりながら劇場をあとにしたことを覚えています。
・振り返り
全体ユニットとしてまとまっていく過程を描いた回でした。そのときの努力があの圧巻のライブシーンに現れているのだと思います。
2nd season 第1章
2期の先行上映が2024年7月から始まりました。意気揚々と早速映画館に駆け込みました。
13~16話までのお話になります。
・13話「飛んでく先を決めるのは」
283プロに新ユニットが加入します。その名はストレイライト。283プロの面々はそのデビューを楽しみにしながら見守っています。
これも衝撃を受けました。今までもパフォーマンスのシーンが圧巻だったのですが、このストレイの「Wandering Dream Chaser」のパフォーマンスは今までの何よりも超えてきていたからです。2nd seasonの始まりに相応しく、鳥肌が立っていつまでも止まりませんでした。
余談ですが、シャニマスライブの「LIVE FUN! -Beyond the Blue sky-」の「Wandering Dream Chaser」に至るまでの流れの作り方は2024年個人的ベスト級のミステリです。
・14話「Straylight.run()//playback」
ストレイライトのメイン回です。彼女たちの3人の結成からデビューまでが描かれます。
今までのユニットと異なり、あまり仲は良くないようです。あさひに振り回されつつ、駆け出しの愛依に不安を感じつつ、手を焼いている冬優子。苦労しているその姿にとても共感を覚えます。
あさひのやらせオーディションでの一件を通して、3人はようやくひとつにまとまっていきます。仲の良さでまとまっていたこれまでと異なり、それぞれがそれぞれをライバル視したうえでひとつのユニットとしてまとまっていく。そんなところに驚きを隠せませんでした。冬優子があさひを認めてセンターを譲るシーンは、これを書いている今も涙がこみあげてきます。
・15話「混ざりあえば新しい光」
ハロウィンライブに向けて動き始めます。なんでハロウィン?とこのときは思っていましたが、実際の放送時期は10月末にあたるからだったのですね。あとから気づきました。
さて、今回はシャッフルチームです。今までのユニットから離れて一夜限りの新たなユニットでのパフォーマンスになります。
このときにはもう明確にアルストロメリア推し、大崎甘奈推し、だったわけですが、甘奈が甜花と離ればなれになり、寂しそうにしている甘奈が可愛かったです。うん、かわいい。
甘奈が所属しているユニットは、小宮果穂、西城樹里、三峰結華、八宮めぐる、で非常に愉快で楽しそうなユニットで良いなと思いました。果穂のおばけかぼちゃの件は思わず笑ってしまいました。
ライブのタイトルを決めるためのグループチャットの会話もとても良かったです。灯織のタイトル列挙、笑ってしまったけど私もやりそうな。恋鐘が遅れてチャットに参加するところも可愛らしくてほほえましかったです。
・16話「Happy Surprise Trick!」
もうここでライブシーンが来ます。なんどシャニアニに衝撃を受けたら済むことか。まだ、このあとに最大級の衝撃が待ち受けているわけですが。
各々のシャッフルユニットで考えてきたパフォーマンスがしっかりとした形となって表れています。どの曲もとても良かったです。そう、なんとここで新曲が大量に追加されます。早く配信されて聞きたいなと思っていました。
・振り返り
3Dモデルの動きもかなり良くなって見やすくなったような気がします。2期になって面白さもかなり違いました。283プロの新たな動きからますます目が離せません。
2nd season 第2章
17~20話までのお話になります。
・17話「行こうって言ったら、それはもう」
ノクチルのメイン回です。デビューに向けて進んでいきます。
とても異色なユニットだなと思いました。全く底が見えてきません。今回新たに追加された2ユニットは明確にこれまでのユニットとは違う描かれ方がされているなと思いました。
大人の事情が絡んでくると腹が立ちますね。そんなの無視してノクチルらしさを思いっきり見せつけてやれ、と心の底から応援していました。「いつだって僕らは」の音が流れているときの雛菜のそれぞれのメンバーに対する捉え方がとても良いなと思いました。
そしてここで初めてデビュー曲のパフォーマンスを「ちゃんと」やらないことにも驚きました。これまでこだわってやってきたことを、ノクチルで初めてやらなかった。新たな風が吹く予感がします。彼女たちが283プロのアイドルとしてどうなっていくのか、非常に楽しみです。
・18話「ほんとの気持ちのその先に」
新たな全体ライブに向けて動き始めます。センターを務めている真乃も自身のアイドル像が少しずつ固まり始めます。どんなアイドルになりたいのか。真乃に限らず、シャイニーカラーズのひとりひとりが別々の答えをもっているのだろうと思います。
そんな中で浅倉透はいったいどういうアイドルになりたいのでしょう。真乃と透の屋上での会話のシーンがとても印象的です。空を見ての天気の答え方が、非常にそれぞれらしいなと思いました。屈指の名シーンです。
・19話「一番大事なもの」
2周目のアンティーカのメイン回です。少しずつ忙しくなっていくなかでバラバラになっていくアンティーカ。そんな「変化」に不安を感じる。それが白瀬咲耶だったのが意外でした。
凛としたかっこいい騎士みたいなイメージを勝手に彼女に対して抱いていました。小さい頃の咲耶さんを描きながら今の咲耶さんの心情を描く。これはもう正直ずるいです。そんな描かれ方をしたら、涙なしに見ることはできません。
そしてそこに切り込んでいったのが三峰結華。気づける人がいるというのはとても大事なことだと思います。
夕陽をバックに泣いている咲耶さんを笑顔で抱き留める月岡恋鐘。そしてそれを温かく見守る他のメンバー。アンティーカって良いなってそう思いました。そして流れる新曲「橙より未来」。
涙はこのときもう枯れていました。
・20話「アルストロメリア、なんて」
2周目のアルストロメリアのメイン回です。そして、2024年個人的な衝撃作品圧倒的第1位になります。
雑誌のカバーガールのオーディションを受ける甘奈。その練習をアルストロメリア3人で行っています。序盤の「反対ごっこ」の段階でアルストロメリアの仲の良さを見せつけられます。ああ、やっぱり安心できるな、って思っていました。
その雑誌はかつて千雪が夢中になって読んでいたものでした。その気持ちがよみがえってきて、オーディションを受けることを決意します。甘奈と対決する形になるわけです。分裂してしまうの......、と不安にならざるを得ません。たとえ千雪さんとはづきさんのオトナなサシ飲みという嬉しくなるようなサービスシーンを見せられても。
徐々にユニット内に亀裂が生じ始めます。私もどんどん不安な気持ちが強くなっていきます。
そんな中で千雪の気持ちを察した甘奈はプロデューサーにオーディションの辞退を申し出ます。それを受けて千雪も辞退を申し出ます。そしてプロデューサーからあるひとつの事実を告げられます。そしてその事実を甜花は事前に知っていたうえで、ふたりのやり取りを見ていたわけです。なんと恐ろしいことでしょうか。よくここまで耐えられていたなと甜花ちゃんの気持ちを考えるととても苦しいです。
場面は最後に河原でのシーンに移っていきます。そこで千雪さんが「反対ごっこ」しようと提案していきます。
このあとのシーンはもう感情がぐちゃぐちゃです。すでに涙は枯れ果てていたので、もうただただじっと画面を見つめていました。逃げ出したかった。でも見届けなければならない。それが彼女たちを「推す」ということだから。
ここまで見ると3話の不自然な仲の良さの描かれ方の良さも分かったような気がします。このためにあったのですね。
新曲は「With you」。「With you」ってなんだよ......って見終わってからずっと言っていました。あまりにも衝撃だったのですぐにサーチして、これが噂の「薄桃色にこんがらがって」だったのだと知りました。凄まじいです。
・振り返り
この回は4つともとても良かったです。こんなに食い入るように見たのは2024年でこの映画だけだと思います。映画ではありませんが。
2nd season 第3章
21~24話までのお話になります。
・21話「うちとあたしのひとつの結論」
2周目のストレイライトのメイン回になります。愛依にフォーカスしたお話。
アイドルとしての和泉愛依と素のままの和泉愛依、そのギャップに思い悩む様子が描かれます。彼女もまたアイドルとしてどうなりたいのか、それに対しての答えをまだ出せていないようです。
それをサポートする冬優子が印象的でした。彼女がストレイライトというユニットを上手くコントロールしていてとても好感がもてます。でも気苦労も多そうなので心配に思う自分もいます。
辿り着いたひとつの結論を胸に、新たな一歩を踏み出す彼女をこれからも応援したいと思います。
新曲は「Future Designer」。未来を、その手に。
・22話「それが私の夢だって」
2周目の放課後クライマックスガールズのメイン回になります。智代子とその友達あすみちゃんのお話。
このお話もアイドルとしての自分に思い悩むお話です。智代子は友達の代理でアイドルになった。だから、どういうアイドルになりたいか、と言われると答えに詰まってしまう。
暖炉の前で静かに語り合う放クラの面々がとても印象的です。ユニットメンバーで集まって近い距離でどこからともなく話し合う。一緒に活動してお互いのことを知っているからこそ気軽にできることだと思います。そんな放クラの仲の良さに心が温かくなります。
新曲は「さあ舞い上がれ」。智代子のアイドルとしての天にも昇るような活躍に期待を込めて。
・23話「私にできること」
全体ライブに向けてのお話に戻ります。透が真乃とのやり取りを通して、ノクチルとしてどう活動していきたいか、を考えていきます。
これまでの真乃の頑張りを思い返すと思わず涙がこみ上げてきます。そしてそれをしっかりと見ている透。真乃の頑張りがしっかりと届いて良かったなと思います。
でもそこで終わらないのが真乃。一歩踏み込んでしっかりとおはなしをしようとするその姿にさらなる成長が感じられます。
最後のシーンは駆け出していく透。ノクチルに向かって。
新曲は「未来へのSign」。ここまで書いてきてどのユニットも新曲は「未来」のことを描いているのかなと。そんなことも思ったりしました。
・24話「今、この時だけの輝き」
最終回なのでライブです。でもまだノクチルの話が残っています。
最後の最後までユニットの話が残っているのが珍しいなと思いました。先行してイルミネーションスターズが新曲「星の数だけ」を披露します。これで全ユニットの新曲が揃いました。早く配信で聞きたいものです。
そしてバトンはノクチルへ渡り披露するのは「いつだって僕らは」。ようやく彼女たちの本気のパフォーマンスを見ることができます。とてもとても嬉しかった。
そして最後に「プリズムフレア」。最後のライブシーンでメイン曲を聞くと、ああここまで見てきて本当に良かったな、彼女たちの努力がこういう目に見える形となってしっかりと表れて良かったな、そんな風にいつも思います。
シャイニーカラーズはまだまだこれからです。きっと自分たちの自分なりの色で、ファンのみんなの心を染め上げてくれることでしょう。
・振り返り
大団円でした。最初にうけた衝撃のあとからはちょっとだけ不安になった1期でしたが、2期に入ってからの物語としての面白さ、それぞれのユニットでの掘り下げでどんどん引き込まれていきました。
おわりに
シャニアニ先行上映での全24話を振り返ってみました。この間にシャニマスのライブに行ったりなんだりしているわけなんですが、それはまた別のおはなし。
総じて思ったのは今までのアニメアイマスシリーズに対してかなり異色な構成の仕方になっていると思いました。ユニットごとにフォーカスをあてていること、数多くのライブシーン、などがそれにあたります。
一方で全体ユニットとしてまとまっていく過程でのアイドルたちの成長は変わらずいつも通りだと思いました。全体での魅せ方がこのアニメアイマスシリーズの魅力と私は思っています。
もうひとつの共通点としては「変化」です。ユニットとして売れていき仕事が増えること。最初はがむしゃらにやっていたところからの「変化」に対して、自身がアイドルとしてどうなりたいのか。これまでのシリーズでもそれは描かれてきています。
シャイニーカラーズはひとりひとりをとても丁寧に深く掘り下げて描いているように思います。決して他のシリーズがそうではないという意味ではありません。彼女たちのことをもっと知りたいと思いますし、知れば知るほど応援したい気持ちにもなる。
そして今度はそのユニットごとの特色の違いも面白い。ユニットという枠にはめて色を作ろうとしたときに、全く違うものが出来上がって来るということです。そしてそれらは輝きに満ち溢れていて、ファンを魅了するものになっていると思います。
まだアニメには登場していないキャラクターもいます。28人揃ったときに、櫻木真乃がどういった風にシャイニーカラーズをまとめ上げるのか。それが見れる日を心待ちにしています。
シャニマスのアルストロメリアの曲を聴いた
考察とかではなく単純に感覚での感想をつらつらと。
・アルストロメリア
初めて聴いたアルスト曲。メロディが良いなと劇場で思って歌詞見てみたらめちゃくちゃで驚き。何が何だかよく分からないし分かろうとしていないのだけど3人が可愛いから良しです。大体全部のアルスト曲に対して同じスタンス。
・ハピリリ
ハピリリ。とにかく気分が上がってるときに使いたい言葉第一位。とりあえずめでたいことがあったらハピリリ。
・Bloomy!
3人の可愛らしさが満開。最も背伸びしていないアルストロメリアという感じがする。「いつもわたしらしくいよう」いつまでも3人で自分たちらしさを貫いていて欲しい。
・Love Addiction
素敵なデートが始まりそうな予感がします。今から会う人にはもう首ったけ。歌詞から顔を真っ赤に染めた彼女たちの顔が頭に浮かんできます。
・ダブル・イフェクト
マージナル・マンって何でしょう。って歌詞を深掘りするのは難しくて考えるのをやめているのですが、それよりジャケ写の翼の生えたアルストロメリアかわいいですね。
・Anniversary
ゆったり曲。「Anniversary」の部分を聴くと心が浄化されていきます。ジャケ写の通り天使です。光の浄化作用があります。
・パステルカラー パスカラカラー
曲のタイトルの良い意味でのテキトーさ好き。一緒に口ずさみたくなるフレーズ。パステルカラー パスカラカラー。
・ラブ・ボナペティート
チュチュチュチュッ。「お味はいかがでしょうか?」→大変美味しく頂いています。
・VERY BERRY LOVE
妖艶な感じ。「Bloomy!」が等身大のアルストだとしたら、こちらは大人っぽく見せていると思います。「あなたのことが、ずっと……」その先に続く言葉は何なんでしょう……か……!
・Give me some more…
狂おしいほど好き。大好き。このシリーズはジャケ写の魔女感が大好き。イタズラされたいですね。
・メッセージ
再びアルストの可愛い感じが戻って来ました。素敵な恋が始まるかもしれません。
・Love Letter
アルストなりの「春はあけぼの〜」です。ラブレター受け取りたいものです。ジャケ写の甘奈の手紙受け取っても良いでしょうか。素敵な恋が始まるかもしれません。
・グラデーション
あと一歩のところまで来たようです。素敵な恋も始まりそうです。
・明日もBeautiful Day
語りかけてきてくれるのが優しいです。身に染みます。「ここのところずっと遅いみたいだから心配してるんだからね」ありがとうございます。頑張ります。
・アスタラブビスタ
お姫様になっちゃったの……普通の女の子として街にお出かけかわいいね。ラビリントロメリアの迷宮に迷い込んでしまった謎の言葉に衝撃を受けた。
・DAYDREAM LOVE
お姫様じゃん……お日様が見えているときだけはただの女の子でかわいいね。お月様が見えてしまったときの悲しさを私にも分けて欲しい。
・その他は配信待ち
『WHITE ALBUM2』全ルート体験記
本記事は『WHITE ALBUM2』のネタバレを含みます。が、詳細にシーンをばらしているわけでなくあくまでもプレイした方には伝わるという書き方にしているつもりです。なお、これ以外の作品名も出てきますが、ネタバレはしていません。
- はじめに
- 0. 丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』
- 1. 出会い
- 2. introductry chapter
- 3. closing chapter 雪菜
- 4. coda 雪菜true
- 5. coda 雪菜ノーマル
- 6. coda かずさノーマル
- 7. coda かずさtrue
- 8. closing chapter 小春
- 9. closing chapter 麻理
- 10. closing chapter 千晶ノーマル
- 11. introductry chapter (2回目)
- 12. closing chapter 千晶 true
- 13. 追加特典
- 14. 不倶戴天の君へ
- おわりに
はじめに
『WHITE ALBUM2』(以下、WA2)の全ルートをプレイしたのでその感想を書き記していきます。そのときの私の感情とその時の私の周りの出来事含めた内容です。WA2をクリアするまでの2年弱の体験記みたいなものです。プレイしたルートを順番に書いていきます。基本的にルートひとつにつきその日一日でクリアしています。興味のある方はどうぞ。
0. 丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』
WA2の感想に入る前にまずどういう経緯でこのゲームをやるに至ったのかをお話しさせてください。
『冴えない彼女の育てかた』(以下、冴えカノ)は私が2016年に初めて読んだライトノベルシリーズになります。ギャルゲーを作るサークルを立ち上げた主人公とヒロインたちのラブコメディです。当時、読んでいた私はあまりの面白さに他のことに手がつかなくなり、常に頭の中では「冴えカノ読みたい」という気持ちでいっぱいでした。その時はまだ完結巻まで出ていませんでしたが、新刊が出るたびに本屋に駆け込み彼と彼女たちの物語を一生懸命に追いかけていました。
180.丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2016年11月22日
ラノベの1巻はキャラ紹介。作中作な感じで進んでいくのかな pic.twitter.com/qxem3iQJEe
そして2022年5月。改めてこの冴えカノを全巻読み返し、当時の熱が甦ってきました。三日間ほどで完走し、その後「劇場版 冴えない彼女の育てかた Fine」を再び見返しました。
劇場版冴えない彼女の育てかたFine、観た
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2022年5月6日
アニメルートはメインヒロイン一直線ルートで。サブヒロインなんてものともしない……と思いきや、親友はしっかりと絡んでくる。出番のバランスを取るためのラストであったかなと思った。
今回はここで熱が収まらず、マンガ『冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム』やファン感謝イベントの「冴えない彼女の育てかた Fes. Fine」に触れたり、冴えカノの深崎暮人画集を買ったり、と冴えカノの世界にどっぷりとハマっていました。
1. 出会い
その当時、Twitterのタイムラインを眺めているとWA2がやたらと流れてきていた。なので、冴えカノの勢いのまま購入。「WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」でPC版を進めることに。
これがすべての始まりでした。
2. introductry chapter
というわけで早速プレイ開始することにしました。ノベルゲーム自体が人生で初めてだったのでそこも新鮮です。
主人公は北原春希。ヒロインは冬馬かずさと小木曽雪菜。
序盤は軽音同好会が分裂しかかっていて、メンバーを集めるという展開。よくあるラブコメラノベの展開かーと思ってポチポチと進めることに。
で、学園祭が近づいてきて三人でのステージパフォーマンスのための練習。この時間にどれだけのことがあったのかを知るのはのちのこととこのときは思いもよらなかった。
その後、ステージは大成功しこの後も伝説のステージと呼ばれることに。そして歌われた「届かない恋」。もう震えが止まりません。
ここから本領を発揮してきました。
まず学園祭終わりの出来事。ついに小木曽雪菜が動きます。おおーここで物語と三人の関係性に変化が加わるのかーわくわく。と、そんな生易しいものではなかったとあとから知ることになります。胃に穴が開きます。
関係に変化が訪れますが、三人でいたい気持ちは三人とも変わらず。この気持ちを捨てることができたらどれほどシンプルであっただろうか、と思いますが、この三人は修羅の道を選ぶことに決めます。非常につらいです。
その後の三人での温泉旅行が最後の幸せの瞬間でした。ここで雪が降ってくることが今後ずっと私を苦しめることになります。ただこのときは楽しく三人の温泉旅行を眺めているだけでした。
2月になり雪菜の誕生日を迎えます。2月14日です。もう一生私はこの日が小木曽雪菜の誕生日であることを忘れないと思います。徐々に春希と雪菜の距離が近づいていきます。
そんな中、かずさは海外へ行くことに決めます。大学は春希と雪菜とは違うというところです。これが良くなかった。春希とかずさの想いに火をつけてしまったわけです。
ここから序章ラストまではもう心が苦しくて苦しくてたまらない気持ちでいっぱいでした。それでもこの物語を見届けなくてはいけない。そしてたどり着いたのは白い雪が降ってくるシーンでした。
なんとかやり遂げることができました。次回予告を見ていた私は「えっ、この展開でヒロイン増えるなんてことある?!」と驚きの気持ちでいっぱいでした。そして雪菜はいったいどうなってしまうんだ、と。
このときから、まず最初に雪菜をどうにかしないといけない、そんな気持ちに駆られていました。
WHITE ALBUM2 -introductory chapter-終わった
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2022年5月14日
奇跡的に色々が噛み合ってしまい、本来ならギリ耐えくらいのところで終われたところを、ズタズタボロボロにされてしまった……こんなことってあるのか、俺はどうしたら良いんだ、このさき生き残れるのか?
ここからは余談ですが、この数日前に西条陽『わたし、二番目の彼女でいいから。3』を読んでいました。このラノベを読んで心をへし折られていたところに、WA2のこれだったので完全にメンタルは殺されました。なんたる奇跡。
3. closing chapter 雪菜
その一週間後ふたたび起動しました。雪菜を救うために。
予告に会った通りヒロインが登場してきます。距離の近いヒロイン・和泉千晶、バイト先のデキるお姉さん・風岡麻理、バイト先のお節介な後輩・杉浦小春。どの子も魅力的です。特に、和泉千晶、この子はヤバいとなんとなく一目見たときから感じていました。
そのまま進めていくといよいよ初めての選択肢。雪菜をどうしても救いたかったのでなるべくそっちにいくような選択肢を選び続けます。
そして迎えるは12月24日。運命の分岐点でした。この時点でどこのルートに行けるか決まっているようなものです。つまり、ここだけはどのルートでも見ることになるということです。最悪でした。この日を何度も繰り返すことになるなんて、本当に最悪のタイムループです。初めてのタイムループを体験しました。
ここからは雪菜ルートに入っているのでひたすら雪菜に春希は接近していこうとします。が、このヒロインホントに曲がらないし落ちない。そこが雪菜の悪いところでもあり良いところでもありだから好きだと思う自分がいます。
かつての歌姫は頑なに歌おうとしません。私はもう頼むから歌ってくれ、歌ってくれよ......と思いながら先を進めます。そしてついに春希のギターが彼女を動かすのです。ここのギターは本当に雪菜にしか向けられていないものになっていて、これだけはどのルートにいても曲げなかった春希に私は感動しました。なんという不誠実な誠実さ。
ようやく二人のわだかまりも解けあとはご褒美のシーンへ。このとき私はこの日に受けた予防接種の副反応もありもう心身ともにズタボロでした。せっかくのご褒美シーンも無の感情で眺めていました。
良かったです。これで小木曽雪菜は救われたのです。幸せになって大学生の時を終えました。
これで私の心はひとまず救われました。ホントに面倒くさいヒロインが好きなんだよなぁ……ははは……空白の三年間を経て、「届かない恋」はどう変わったのか。新たに増えたヒロインたちの想いもまた届かない。しかもまだこの先があるということで、またキリキリと痛みを感じながらプレイをしないと……
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2022年5月21日
そして流れ始める「届かない恋」。次回予告です。もうやめてくれと思いました。出てきたのはストラスブールで出くわした黒髪の美少女でした。ああ、終わった......立ち直れませんでした。
この日は熱も上がってきて悪夢を見てもう何が何だかよくわかりませんでした。これほど苦しんだ日はないです。この先を進めるのが怖い。ただただその気持ちでいっぱいでした。
4. coda 雪菜true
2023年1月。ついにその時を進めることにしました。辛すぎて先に進めることができませんでした。この間にWA2をプレイし始めすべてのルートを終えた人もいました。コラボカフェもこの間にやっていたような気がします。私は逃げ続けていました。やると言いつつもやれなかったのです。でも、いつまでもそれではいけないということで始めました。
今回も雪菜のエンドになるように進めていきます。codaはかずさの一回目の日本公演とそのあとの雪菜の誕生日が鍵を握ります。この期間にどうするかでどちらに転ぶことになるかが決まる、というものでした。
そしてこのルートはWA2で最後にやるのを勧められていたルートです。このときは気づきませんでしたが、このルートがいかにすべての集大成であったのかということにすべてのルートをプレイし終えた今気づかされました。
それは何と言っても雪菜とかずさのぶつかり合い。そして学園祭前日で止まっていた時間が動き出したからです。このルートでしかこれが見られません。雪菜の真っ向から曲げない性格でかずさを雪菜のペースに引きずり下ろしていきます。こんなヒロインがいたのか。たまったもんじゃない。私はどんどん雪菜に心を奪われていきました。
そんな雪菜だからこそ最後は掴み取ります。北原春希を。このヒロイン強すぎる。なんでこんな良い子がこんなに苦しまなくてはいけないのか、何度そう思ったことか。
最後に出てきたCGはもう涙で画面が見えませんでした。やった......ひとまずのハッピーエンドを見ることができたんだ......安心しかありませんでした。
WHITE ALBUM2 coda たぶん小木曽雪菜トゥルーエンドクリア
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2023年1月14日
ようやくひとつの終わりを迎えられて呪いから解放された……この上ないハッピーエンドで最後のほうはもうほっこりした気持ちで安心しながらプレイすることができた。不倶戴天の敵か、一生涯の大親友か。三人の楽しい掛け合いに花束を。
5. coda 雪菜ノーマル
2024年3月。他のルートを終わらせると心に決めました。一年空いてしまいました。この間にも定期的にWA2の話題は私のタイムラインに上がってきて、そのたびに冬馬かずさを救わなければと思っていました。ええ、思っていました。
というわけで、攻略サイトを解禁してそれぞれのルートを攻略していきます。
このルートは比較的短い本当に普通?のルートです。雪菜とかずさは交わりません。雪菜がそれを拒んでいたからです。ホントにそれでよいのか?その疑問が残るルートでしたが、雪菜はそれで良いということを選んだルートでした。これもまた小木曽雪菜なのだとそう思いました。
6. coda かずさノーマル
いわゆるかずさ浮気エンドというルートらしいです。いよいよかずさtrueを見るぞと思い選択肢を選んでいきましたが、選べません。何度も雪菜ノーマルに行きました。そして気づきました。先にノーマルエンドを見る必要があるということに。
基本的にはかずさの日本公演から追加公演の間までの話が変化するので、その時間で春希と雪菜、かずさに何が起こるかを楽しむcodaになっています。
このルートは愛と情欲にまみれたルートでした。単純に言ってかずさがエロい。そしてずっと甘えている。なんだこの可愛らしさは。ずっと雪菜ばかり追ってきたのだけれど、これは可愛すぎる困る。
日々、春希とかずさは睦み合っていてずっといちゃいちゃを見せ続けられます。が、そんな幸せな日々は長くは続かないのがWA2。私はそのことをこれまでの経験から学びました。
かずさは春希から離れていこうとします。そんなときにかずさが春希に言い放った言葉を私は忘れることができません。私の宝物は......かずさの想いのこもった言葉にしばらく画面を見つめることしかできませんでした。呆然としていました。
そしてこれでさよならだと言わんばかりに見せつける追加公演での演奏。かずさとの別れです。辛いです。なんですかこれ。
そして隣には雪菜がいます。なんでこんな状況を作り出してしまったんだ......ここで完全に北原春希が壊れてしまいます。そしてエンディングへ。
エピローグは季節は巡りふたたび冬へ。雪菜......このルートでも君は強いヒロインなんだね......そう思わされて幕を閉じたルートでした。このルートの方がtrueより実は好きなのかもしれない。
7. coda かずさtrue
そしていよいよかずさtrueを選べるようになりました。ということは雪菜を切り捨てるしかないルートです。
このルートは春希が最後までかずさをあきらめなかったルートです。そのためにどうやって雪菜の気持ちに折り合いをつけるのだろうと思っていました。
そうやるのか......これは相手がかずさだから描けるルートなんだと思いました。雪菜が最後に春希を選べなかった理由は、春希以外の人がいたから。でもかずさには春希しかいない。かずさの全力の一途な想いには雪菜の想いが勝てなかった。それは環境の違い。かずさというヒロインをヒロインとしてしっかりと描きながら、雪菜というヒロインとの違いをしっかりと見せつけてきた。そんなルートでした。
このルート、本当に純愛でかずさとのいちゃいちゃシーンないんですよね。ノーマルでヤリまくっていたからかとも思いますが、あえてこのルートで描かなかったのはかずさの恋心の純粋さを際立たせるためでもあったのかな、なんて思いました。
これでcodaが終わりました。
8. closing chapter 小春
大学生に戻って各ヒロインのルートを攻略していきます。
このルートは自分の中の理性と本能が大喧嘩したルートでした。本当にあなたたちの選択は正しいのか。でもそれは外野からの意見であって、この二人にとっては「愛」ゆえのものなのでしょう。でも本当にそれで良いのか。という問答をずっと繰り返していました。特に最後の小春の選択はずっと理性と本能が戦っていました。
恋愛関係に支配される友情関係、どこかのマンガで読みました。まさにそれでした。でも、このルートで最後に雪菜が出てきて小春にかけてあげた言葉が正答なんだと思いました。確かにそれですべての問題が落ち着くこともあるよなと。この雪菜の言葉でギリギリ春希と小春の関係を良しと出来ました。それに小春が「小春希」ならばこのルートはこのエンドで合っているかなと納得しました。
そしてこのルートをやって気づいたのです。かずさ以外に負ける雪菜をあと何回か見ないといけないということに......
9. closing chapter 麻理
デキるお姉さんは好きですか?大好きです。
大人の余裕がありつつも可愛らしい一面も見れる。そんなルートです。比較的このルートは安心して見れました。ここまで来るのにメンタルが鍛えられたからというのもあるのかもしれません。
このルートでびっくりしたのは、新キャラ出るんだ......ということです。普通のラブコメラノベっぽい展開かなと思いました。年の差、焦るお姉さん、好きです。
バッティングセンターのシーンも良いですね。お姉さんキャラがバットを振っているシーンがとても好きです(俺ガイルの平塚先生とか......)。
codaでアメリカに行ってしまったということを先に知っていました。なのでこのルートもアメリカへ行くという別れで麻理さんを選ぶことができるのかということがお話の焦点です。そして雪菜です。彼女との別れるためのトーク。雪菜は本当にこれで別れることを決意できたのでしょうか。わかりません。わかりませんが春希を追いかけなかったということはそうなのでしょう。あんた、私のこと好きだったー?春希の思い出の女の子になれたでしょうか。
麻理さんに最後には会えたのですが、なんかこれ叙述トリックみを感じました。ちょっとミステリでテンションが上がっている自分がいました。ありがとうございました。
10. closing chapter 千晶ノーマル
最初からこの子はヤバいと警鐘が頭の中で鳴っていたので最後に回しました。このルートもエロいです。というか千晶がエロい。
ノーマルなのでそこまで語ることは多くないのだけれど、やっぱりこれは謎が残るルートだなと思います。というかこれは多分「問題編」なんだと思います。和泉千晶から出された挑戦状です。この挑戦状に挑まずに終わったルート、そんな感じがしています。
11. introductry chapter (2回目)
CGモードを見ていたときになんで選択肢のなかった序章で解禁されていないCGがあるんだと思っていました。それを回収するために2回目です。
かずさの描写が追加されていました。codaで言っていたことがしっかりと描かれています。つら......この学園祭がすべての始まりだったよ......
本命は瀬能千晶です。やっぱりそのパターンだったかーとここで初めて気づきます。異常に春希のことを気に入っているのもここで気になりましたが、この気がかりだったことはこのあとすぐわかりました。
12. closing chapter 千晶 true
そして和泉千晶の「解決編」。なぜ彼女が春希に接近していたのかが明かされます。
彼女はこの物語におけるもうひとりの「天才」でした。高校のときは演劇部。大学でもその実力はそのままに看板女優。名前は瀬之内明。ついに明かされた彼女の真の姿に私は心を奪われて仕方ありません。ここにきて天才キャラがでてくるなんて......
ノーマルエンドの裏側がまずは描かれていきます。彼女は三人があの学園祭に至るまでを舞台化しようとしていました。春希に接近し人となりをコピーし、雪菜に接近し言動をトレースします。自分が演じる舞台のために。
どれが本物の和泉千晶かなんてわかりません。彼女は常に演技をすることで自分を保っていたのだから。そんなことが春希にもバレて距離が空いていってしまいます。
あとこの途中で千晶が切り札を持つんですが、えっ!このルートでついに?なんて思ったりしていました。結果、その切り札は結局切り札にはならなかったわけですが、気づかされたタイミングが舞台の途中というのも悲しい。
千晶は雪菜とかずさを完璧に演じていました。そして劇もいよいよ終わろうとしているとき、ついに彼女の想いが吐露されます。このときやっと彼女の素顔が見れたような気がしました。天才のベールがはがれる瞬間好きです。
甘々なラストを経てこのルートは終了。和泉千晶、好き。
これにてclosing chapterは終了。
13. 追加特典
ビジュアルノベルやミニアフターストーリー、ボイスドラマ、など特典が残っているのでこちらも一つ一つ触れていきました。基本的にはintroductory chapterを補強する内容のものが多かったかなという印象です。いくつか気になったものの感想を。
・幸せへと戻る道
かずさtrueのその後。バカップル(夫婦)その1。そういえば結婚式挙げなかったね、この子たち。時間が解決してくれることもあるのでしょう。ふたたび五人が日本で集まれそうで嬉しかったです。
・幸せへと進む道
雪菜trueのその後。バカップル(夫婦)その2。いちゃいちゃを見せつけてくれます。雪菜のその後といったらもうこれしかないでしょう。こちらもとても嬉しかったです。
・祭りの前~ふたりの二十四時間~
うん、良い。かずさと雪菜の前日譚。彼女たちふたりの間で何があったのか。修学旅行ではないけれどコイバナに花を咲かせます。雪菜ぐいぐいいきますね。
・再会と贖罪のニューイヤー
もしかずさのコンサートに行っていたら。雪菜からも電話がかかってきて一触即発の展開でまたこの苦しい展開か......と思っていた。そしたらアニメの告知だった。そこから先はコミカルで面白かった。そういえばアニメも実はすでに視聴済です。
・幸せの日~ベッドの上の物語~
ピロートーク。Good!
14. 不倶戴天の君へ
残された最終ルート。かずさ浮気エンドを補強するものになっていた。
このルートは今までと違い春から秋にかけての物語になっている。かずさが日本にさよならを告げ、雪菜がふたたび春希のもとへ帰ってからの物語。
このルートの雪菜も強い。めげずに春希のもとへ通い続けます。が、それが重荷になっていって壊れそうになっていきます。
一方のかずさ。母親のためにオケに乗ることになりますが、彼女も思ったように進まない。誰かに弱音を吐きだしたい。でもかつての最愛の人にはもう頼らない。だから電話を掛けた先は──
だからこの物語は「不倶戴天」なんだと思った。雪菜とかずさが一生涯の敵であることを決めた日。彼女たちの一世一代の大喧嘩は苦しいものでもなくて、どこか安心して見れる自分がいた。この二人は心の奥底では繋がっているから安心して全力の言葉をお互いにぶつけられるのだなと。「不倶戴天」は「大親友」の類義語なのかもしれない。
このルートだけは雪菜は三人でいることをやめたんだなと思った。あれだけ三人でいることにこだわっていた雪菜がついにそれにこだわらなくなった。こんなルートも見ることができるのか、どこまで楽しませてくれるWA2......!!!!
春希が寝転がっているCGとても好きです。今まで冬の物語だったのでこのシーンは新鮮でした。温かな風が二人を包み込んでいて、私も穏やかな気持ちになりました。
そしていよいよ春希は復帰。このルートで一番びっくりして嬉しくなったのがこのすぐあと。なんと編集長としてアメリカから「あのひと」が帰って来るというのです。良かった......ホントに良かった......
最後、かずさの凱旋講演。縁はいつまでも続いていく。季節が巡る限り。
書いている途中で気づきましたが、依緒と武也の話、朋の話、小木曽家の話、ここら辺全く書けてないなって。これ書いている今でもすでに相当な文字数になっていますが、この面々のことも書くとなると相当長いものになるなあ。
おわりに
人生で初めてプレイしたノベルゲーでありR-18ゲームでした。もう二度とやりたくありません。でもやっぱりヒロインたちに会いたいなとは思います。もっと軽い気持ちで見れる日が来るのかな。そんな日は来ないよね。最近は和泉千晶が歌う「届かない恋」をずっと聴いています。良い声。
彼女たちの結末の全てを見届けることができて良かったです。
記念写真 pic.twitter.com/khP5rcL6LA
— ほたる@読む (@Crowd_Firefly) 2024年3月12日
3月10日のおはなし
「試験終了です」
俺はペンを置いた。中高六年間、学んできた全てをぶつけた二日間が終わり、そして長かった受験戦争にもついに終止符が打たれた。
3月10日。今日は卒業の日だった。中高一貫で六年間通ってきた校舎とも今日でおさらばだ。この長い坂道を上るのもこれで最後だ。
「いよいよ卒業式。そして今日が合格発表の日だ。うちの学校も頑なにこの日から卒業式ずらそうとしないんだよな。お前たちも今日くらいは余計なことに気を取られずにその瞬間を待っていたいだろう?」
今日はこのクラスの大半の生徒が受けている大学の合格発表の日でもあった。合格発表は12時。卒業式が終わったあとのことだった。
「合格かどうかが気になるところだと思うが、こればかりは仕方ない。まずは卒業式だ。
段取りは──」
そんなことを今は気にしている場合じゃないが、なぜかその内容は頭に入ってきた。あと数時間で進路が決定するというのに、自分でものんきなものだった。もしかしたら、その決定的瞬間が訪れるのを拒んでいる自分が心のどこかにいるのかもしれない。
今年は体育館が修繕中のため、卒業式は講堂で行われる。本来であればひとりひとり壇上に上がって卒業証書を受け取ることになっているが、幅の狭い講堂ではそれが難しい。だから、名前を呼ばれたらその場で「はい」と答え立ち上がるだけだ。クラスの代表者ひとりがまとめて受け取ることになる。
去年、在校生として体育館での卒業式に出席したときはこの卒業証書授与の時間が果てしなく長かった。ひとりひとり受け渡しを行っているのだから当たり前だ。しかも、壇上でふざける奴も出てくる。さらに式は遅れていくというわけだった。でも、そんな悪ふざけも最後と思うと少しうらやましくも思う気持ちもあった。今年は簡易的なものになってそんなことを仕掛ける時間すらないだろう。
「──というわけだ。では、今から移動する」
担任が説明を終えると、ぞろぞろと生徒たちは立ち上がり教室を出ていった。
卒業式を待っているとき、友人といつもと同じように他愛もない話をして過ごす。俺と同じように内心は不安なのだろうか。全くそんなことをおくびにも出さない。
ああ、そうか。余裕なのか。
俺は不安でいっぱいだったが、他の友人たちはきっと余裕なのだろう。ずっとA判定を取り続けてきている奴ばかりだし。全く必死で食らいついている俺の身にもなってくれよ。
そうこうしているうちにようやく講堂へと入場することになった。
卒業式中のことはあまりよく覚えていなかった。校歌斉唱はこれで歌うのが最後になるというのに感慨深い気持ちにもならなかった。徐々にその時が近づいてきていて、ますます気が気ではなかった。
教室に戻ってきて、いよいよ担任の言葉も最後になる。
「人生は長い。この先のことを考えればこれからの一年なんてとっても短いものだ。たとえダメだったとしても、将来を考えれば一年かけて再挑戦すべきだと思う。ここで諦めるのは非常にもったいない」
そんなことを言われても俺はもしダメだったらもう別のところに行くと決めていた。幸いにしてすでに合格している学校はある。もう一年で自分の学力が伸びるとも思えない。それくらい全力を出し切った。だから受かっているかどうかは本当にギリギリのラインだと思う。
と、思っているが本音を言えばもう勉強したくないだけだった。周りにもおいて行かれたくない。早く大学生になりたかった。
「あとこれからはAIの時代が来る」
そんなことを考えていると、唐突に担任の話の方向が切り替わった。
「良いか、仕事を奪われるような奴にはなるな。きっとAIはもっと優秀なものに発展していく。そんな中で我々ヒトができることをしろ。AIを超えるくらい優秀になれ。だから──」
すると突然ひとりの生徒が立ち上がってガッツポーズしながら廊下に走り去っていった。何事かと思って時間を見ると、合格発表の時間を過ぎていた。隠れてスマホで確認したのだろう。
「全く、仕方がない……」
というわけで次々に生徒たちはスマホで結果を確認し始めた。俺もすぐに確認した。
そしてそこに番号はなかった。
「うわ、落ちたー」
「え?マジか!?」
一足先に確認した俺は他の奴らにスマホを渡す。周りで持っているのは俺しかいなかった。
その友人が手を震わせながら画面をスクロールしているのを見ていた。そしてすぐにそのお目当ての番号は見つかったようだった。
「あったわ」
「俺にも見せてくれ」
他の友人も俺のスマホで番号を確認し始めた。結果は合格。俺以外の全員が合格だった。
というわけで大学受験の長い戦いはこれで終わった。
「卒業旅行スキー行こうぜ」
友人宅でピザを食べつつゲームをやりながら休みの予定を立てていた。しばらくは自由の身だ。これほど清々しい気持ちになるとは。
「良いね。いつにするよ?」
こうして仲の良い友人たちとワイワイ過ごしながら、日は暮れていった。
帰りの電車に乗りメールを確認すると母から来ていた。
おめでとう。これであんたも大学生だね。
おめでとう、か。確かに新たな門出なのでおめでたいことではある。でも、どこか皮肉なように感じられる。帰ったら文句のひとつでも言ってやろう。
そう思い見ていたスマホの画面から顔を上げると、電車内には人がいなくなっていた。どういうことだ。まだ終点でもないはずだしそもそもそこが降りる駅でもない。
しかも、電車は動いていた。ますます意味が分からない。
立ち上がって先頭車両のほうへと向かうことにした。運転手を確認しておきたい。そう思って別の車両に移ろうとしたところ、扉が開かなかった。いくら力をいれてもダメだった。
いったい、何が起きているんだ?いま来た道を戻ろうと後ろを振り返ると、そこには
黒ずくめのゴスロリを着た少女が片手に杖をもって立っていた。
「ごきげんよう」
お嬢様然としたあいさつを目の前の少女からされた。
「君は誰だ?これはどういう状況なんだ?いったい何をしたっていうんだ?」
「質問を一気に投げてくるのはやめていただきたい。まあ、この状況であればそう思いたくなる気持ちもわかりますが」
その少女は何かを知っているようではあった。だったら早く教えてくれよ。
「そうですね、いわばここがあなたの分岐点とでも申しましょうか。あなたはこのまま先に進むこともできる。あなたはこのまま巻き戻ることもできる。どちらかを選択する権利が今のあなたにはあるのです」
「わからない。もっとわかりやすく言ってくれ」
「少しは自分で考えてみたらいかがでしょうか。と言っても時間もないので優しく教えて差し上げましょう。
良いですか。あなたは本命の大学に落ちて別の大学に入学しようとしている。それをそのまま受け入れるのが選択肢のひとつめ。
ふたつめは時間を一年前に巻き戻してもういちど最後の一年間をやり直し再挑戦できる。しかも今のあなたの記憶を持ち越したままで。
そのどちらかを今あなたは選ぶことができるのです」
要するにもう一度だけ高校最後の一年間をやり直せるっていうわけだった。本当かどうかは信じがたいが、この奇妙な状況に巻き込まれていることから察するにここでは信じることにした。
「俺はもうあの一年を繰り返したくはない。繰り返す必要もない。だからやり直しを選ばない」
「本当にそれで良いのでしょうか。ただ同じ一年を繰り返すだけなんですよ。周りだけ先に大学生になっている、なんてこともない。何のデメリットもなしに二回目を繰り返せるんですよ
それに全く同じ一年なんです。だから出題される問題も同じです」
そこまで言われるとそれは魅力的な話だった。なんせ答えを覚えてしまえば良い。
「ん?でも今の俺は答えも覚えていないし、問題ももちろん覚えていない。いくら記憶を持ち越せるからといってもこの状況じゃ結局同じだ」
「では、おまけです。あなたが今年受けた大学の問題そしてその解答はやり直しの際に持って行けるようにします。試験直前になってそれを覚えるだけで合格です。これで何のデメリットもなくなりました」
流石に都合が良すぎる話だった。これで戻って騙されていたなんて事態に陥ったら冗談じゃない。
「おや、私が騙そうとでもしているとお思いでしょうか?そんなことはするつもりはございません。最もそんな口約束では無意味なのでしょうが。それでもこれは約束しましょう。
そのうえでお考えください。どちらの選択を選ぶのか」
完全に自分にとってメリットしかない話だった。でも、すでに俺の答えは決まっている。
「俺はやり直しを選ばない。このままの道を進む」
「ほう、理由をお聞かせ願えますか」
「正直なところさ、本命の大学だってうちの担任に言われていたから目指していたっていうことが大きい。目指すところがないならとりあえず目指しておいて損はない、って。
俺はやりたいことがなかったから、その言葉を真に受けてただ受かるためだけに勉強していたんだ。だからこの一年間はずっと苦しかった。目標は確かに合格だったけど、そこに自分だけの理由はない。苦しくないはずがない」
「なるほど、あなたは志望動機が不純なものであった。そう言いたいわけですか」
「そうだ。何となく流されて目指しているだけだった。だから深く考えずに問題が解けるだけのテクニックと解くためのパターンを身に着けた。
でも、最近になってようやく気付いたんだ。手先のテクニックだけでは解けない問題があるってことに」
それは当たり前のことではあった。でもこれまで自分で深く考えもせずにただパターン化を繰り返してきた自分にとっては目から鱗が落ちる気づきだった。
「パターンにはめられないときには自分の自由な考えが必要になってくる。自分の考えなんて持っていなかった俺には突然やれと言われても無理なことだった。だから、落ちた。
もちろんそのことに気づいてからはなるべく意識して考えるようにしていたさ。ただ、気づいたときにはもう時すでに遅しだったってわけ」
「では、なおさらもう一年やり直したほうが良いのではないですか。考え方の幅が広がるでしょう?」
「それじゃダメなんだ。高校までの内容だとどうしても限りがある。
単純に言えばもう飽きた。新しいことを俺は自由に学びたい」
「でも、一年待てばもっと良いところに──」
「もっと良いかどうかなんて入ってみて実際に学んでみないとわからないじゃないか。そこでやり直せるっていうのなら考えるけど」
「ぐぐぐ、私が提示できる分岐点はここだけなのです。それは出来ません……」
「ならもう決まりだ。俺はこのまま先へ進む。先へ進んで新しい考え方を身に着ける。
それに、俺はもう待ち遠しいんだ。卒業旅行が」
迷いはない。もう先に進むと決めたんだ。
「そうですか、仕方ないですね。私も素直に引き下がるとしましょう。
では、さようなら。あなたの道に光あらんことを」
そして視界が真っ黒に染まった。
気づくと俺は目的の駅のホームに立っていた。どうやら送り届けてくれたらしい。
「なんだったんだ、今のは」
最後の最後に不思議な出来事に巻き込まれてしまった。最後の一年をもう一度やり直せる、そんなことはもうどんなことがあってもごめんだった。
でも、もし本当にやり直しを選んでいたとしたら──
「やめよう、そんなことを考えるのは」
これが3月10日の出来事。今からもう十年くらい前のこと。あのときの選択を俺は後悔していない。今を満足に過ごしている。
おしまい
